2003 Fiscal Year Annual Research Report
日本における労働市場構造と企業の採用管理の歴史的発展に関する実証的研究
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13630095
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Research Institution | Tohoku-Gakuin University |
Principal Investigator |
菅山 真次 東北学院大学, 経済学部, 教授 (00202127)
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Keywords | 採用管理 / 新規学卒市場 / 定期一括採用 / 二重労働市場論 / 実績関係 |
Research Abstract |
本年度は、3年間の研究の最終年度にあたるため、研究報告書の作成にむけて次の2つのテーマを中心に研究を進めた。 第1は、戦間期における学校と企業の実績関係の形成過程に関する研究である。このテーマについては、すでに昨年度中間報告として、鶴岡工業学校の詳細なケーススタディを社会経済史学会全国大会で発表した。今年度は、鶴岡工業の最も重要な実績企業の一つであった日立製作所について、職員層の採用管理に関する二次資料のデータベースを作成した上で、詳細な分析を行った。その成果の一端は、東京大学大学院の経済史研究会で報告した。 第2は、高度成長前夜の1950年代初頭に、東京大学社会科学研究所が実施した京浜工業地帯従業員調査の再分析である。このテーマについては、すでに昨年度に年齢別の分析を終えていたが、今年度はこれに加えて採用年度別の分析を行った。採用年度別の分析はデータの性格上種々の困難が伴うが、労働市場構造の戦前・戦時・戦後の変化を追及するためには不可欠の作業であり、若干の推測を交えながらもできるだけ全体像を把握する事に努めた。 研究報告書には、上記テーマの分析結果に加えて、高度成長期における新規学卒市場と企業の採用管理に関する英文論文2本を収める予定であり、これによって戦間期から戦後の高度成長期にいたる50年間の歴史的変化を、まがりなりにもカバーする事にしたい。
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