2001 Fiscal Year Annual Research Report
財政金融部門を統合した応用一般均衡モデルによる社会保障政策の世代会計からの分析
Project/Area Number |
13630109
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
菅 壽一 広島大学, 経済学部, 教授 (70033743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二村 博司 広島大学, 経済学部, 助教授 (70263663)
瀧 敦弘 広島大学, 経済学部, 助教授 (40216809)
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Keywords | 世代会計 / 応用一般均衡モデル |
Research Abstract |
世代会計は、税金などの政府への負担と年金などの政府からの受益を世代別に生涯にわたって計算するものである。したがって、世代会計は、個人にとっての財政負担の大きさを直接示す指標を計算できるものである。また、ここでの目的のためには、この世代会計を、金融市場や労働市場・財市場を統合した一般均衡モデルで考える必要がある。そこで、この分析では応用一般均衡モデル分析(一般にAGE分析と呼ばれる)を用いることとした。 本年度は、世代会計をAGE分析に組み込むために、まず、既存のAGE分析の研究を整理し、問題点を探った。つぎに、世代会計を組み込むための理論研究をおこなった。そこで、最も問題となるのが、現実の経済の動学性をそのままモデル化するのでは、AGE分析における均衡解は簡単に求まらないであろうことである。そこで、現時点では、そのためのモデルの構築を考察し、さらに、均衡解の存在する条件も考察している(現時点においては、どのような場合に解が存在するか、また、その解は一意的であるかについては、未解明のままであるが)。 さらに、均衡を求める計算を行う際に、近似的に収束過程を導入するが、そのためのプログラム開発をおこなわなければならない(プログラム自体が既存の研究で公開されている場合は極めて少ないので、われわれで開発する必要がある)。今年度は、このためのプロトタイプのプログラム開発と、このプログラムの評価(実際に均衡解を求めて、その解を評価する)も同時に行った。その場合に、その評価を行うためのデータの収集作業と整理作業を行った。
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