2002 Fiscal Year Annual Research Report
外国為替ディーラーの雇用形態が為替レートのボラティリティに与える影響に関する研究
Project/Area Number |
13630111
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福澤 勝彦 長崎大学, 経済学部, 教授 (00208935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須齋 正幸 長崎大学, 経済学部, 教授 (40206454)
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Keywords | ゲーム理論 / 不完備情報 / 繰返しゲーム / 長期雇用 / バーゲニング |
Research Abstract |
本年度は為替ディーラーへの雇用モデルの構成を前提として,雇用形態のありかたを,理論モデル分析の展開と調査を中心に研究を行った.為替ディーラーの雇用形態は,ディーラーの企業内の位置づけあるいは教育養成システムの違いなどを反映して,長期間にわたる雇用形態である場合あるいは短期的な雇用形態である場合など多様性がある.本研究の目的であるこの雇用形態の相違が,結果として為替へ影響するかどうかの検証には,この雇用形態を明確にしたうえでその特徴を明らかにする必要がある.そのために,本年度は市場および雇用における完備情報と不完備情報でのゲーム理論の枠組みを用いて,短期的な契約形態の分析を行うワンショットのゲームとともに,長期間の関係を検討するために繰り返しゲームを用いる分析を取り上げて研究を行った. これらの研究の一環として,各個人の雇用形態の分析をと共に,各個人の労働環境あるいは雇用のレールを定める労使の関係を分析するために,労働組合の役割をについて研究を行い,様々な制度上の違いを前提とした労使交渉モデルについていくつかの結果を得た.これらの労働組合に係わる労使関係は,間接的に雇用環境に大きな影響を与えるとともに,雇用形態そのものを規定する大きな要因である.特に本年度は,労使問題のなかで雇用形態との関わりを中心に研究を行い,それを著書の一部として刊行した.それらは,著書の各章として,「章集団的労使紛争の継続性と中断」「代理人としての労働組合と」「報酬交渉の諸問題」として公刊した.これらは,雇用と交渉の問題をゲーム理論の枠組みで分析し,そのうえで雇用に係わる法律の役割について言及したものである.付言すれば,これらの研究は雇用モデルへの適用を視野に入れたものである.
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Research Products
(1 results)