2002 Fiscal Year Annual Research Report
日本の消費者と日本市場におけるマーケティング・サクセス
Project/Area Number |
13630126
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
平敷 徹男 琉球大学, 法文学部, 教授 (60140977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 英一 九州産業大学, 商学部, 助教授 (90274878)
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Keywords | 日本市場 / マーケティング・サクセス / 日本の消費者 / 消費者の特質 / 限定好き / 新しもの好き / ブーム・流行好き / 本質と周辺 |
Research Abstract |
日本市場でのマーケティング・サクセスを高い次元で達成するために、日本の消費者の特質に関する知見のさらなる掘り下げと新たな分析枠組みの提示が行われた。日本の消費者が、1)限定好き、2)新しもの好き、3)ブーム・流行好きの3つを有している点について、リースマンが提示した他者志向とは異なる点やより本質的な可能性が高いことが示唆され、海外の実務家からも本研究の有効性に対する評価があった。また、日本の消費者に関して、本質と周辺という分析枠組みで検討することが提案された。本質とは、製品でいえば本来の機能、効果、ベネフィットなどのことで中心的な要素のことである。一方、周辺とは製品のデザイン、ブランド、流行性、新規性、限定性、顧客サービスなどのことで中心的な役割とは関係のない付随的な要素のことである。住宅を例にとると、日本の消費者は、製品の本来の機能、すなわち生活しやすい居住空間という機能を買っているのではなく、住宅のブランド、流行性、立地、ステイタス、新装備のトイレ等を買っているのである。また、ホテルでいえば、本来の機能、宿泊や休養にたる充分なスペースや客室サービスを購入するわけであるが、実際は立地の問題、室内が清潔であることや従業員の対応などの周辺的な側面が重視されることも多い。もし、髪の毛がベッドやバスに一本たりとも落ちていたとすると、ホテルの本来の機能がどれだけ果たされているかは別としてそれをもってホテルの全体の評価を悪くする傾向があり、逆に従業員の対応がすこぶるよければそれをもってしてホテル全体の評価があがることも多い。このように、日本の消費者は、本質を重視するのではなく周辺を重視した消費者行動プロセスを経ると考えることができる。このため、日本市場でのマーケティング・サクセスの実現のためには、製品・サービスの本質よりも周辺を重視したマーケティング活動の展開が必要であると提案された。
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Research Products
(1 results)