2003 Fiscal Year Annual Research Report
日本の消費者と日本市場におけるマーケティング・サクセス
Project/Area Number |
13630126
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
平敷 徹男 琉球大学, 法文学部, 教授 (60140977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 英一 九州産業大学, 商学部, 助教授 (90274878)
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Keywords | 日本市場 / マーケティング・サクセス / 日本の消費者 / 消費者の特質 / 限定好き / 新しもの好き / ブーム・流行好き |
Research Abstract |
これまで研究から日本の消費者の特質が明らかにされつつあるが、日本市場でのマーケティング・サクセスを実現するうえではオペレーションと調整の繰り返しが必要になっている。例えば、小売業に関していえば、一度店舗を開店するとそのオープン当初こそは、集客に成功する場合があるが、その後来店客や売上が減少することがしばしばみられるのである。日本のマーケティング・サクセスにおいて重要なのは、その後のケアや調整、新基軸の展開などをいかにすすめるかに有ると考えられるのである。福岡の小売業では、開店当初売上が予想を達しなかった店舗が徐々に客足を増やしつつあり成功を実現しているのであるが、この店舗では出店後に、駐車場の増設、イベントの開催、シャトルバスの運行、当店独自のプロモーション戦略の実施など様々な施策を行い、顧客増と売上増を達成している。また、特に目新しい企画、例えば、釣り大会、ミニ動物園の開催などをつぎつぎと行い、消費者に新たな大型小売店の方向を打ち出している。これらの成功事例は、イベントによる期間の「限定性」をはじめ、これまでの研究から明らかになった日本の消費者の特質である「ブーム・流行好き」、「新しもの好き」の傾向を活かしていることを示すものである。すなわち、開店後も継続的に新規性を演出しながら消費者を誘引し、維持していく戦略を展開して成功を収めているといえる。外国企業のいわゆる「ブランド」は日本の消費者にとって魅力的要因として認められるものの、日本市場におけるマーケティング・サクセスを狙う外資企業の場合はブランドのみに依存せず、日本市場および日本の消費者のニーズおよび特質に対応していくことが求められる。
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