2001 Fiscal Year Annual Research Report
国際的買収・合併・合弁・全額出資の経営効果についての実証的研究
Project/Area Number |
13630133
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
星野 靖雄 筑波大学, 社会工学系, 教授 (00096744)
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Keywords | 海外子会社 / 親会社 / 参入形態 / 合併効果 / 経営指標 / 超過収益率 |
Research Abstract |
ダニングの折衷理論の実証研究の一環として、欧州での日本企業の海外製造子会社324社の1994年から98年までの東洋経済海外進出総覧のデータより、独立変数としての親会社の従業員数、無形固定資産、資源型産業、国際経験、子会社の営業年数、親会社の海外生産比率が従属変数としての子会社の海外への参入形態に影響しているかどうかを分析しいている。親会社の従業員数や子会社の営業年数は海外子会社が株式の共同所有を選択する事と正の関係があることが実証され、資源型の産業であることや海外の子会社数で代表される国際経験は逆の傾向を示していることが実証された。しかしながら、R&Dや広告比率で示される指標では参入形態とは統計的に有意な関係は得られなかった。 わが国の1970年より94年までの合併企業の経営指標とその業種の中央値との比較により、1)合併が企業の効率を向上させるということはなく、むしろ経営成果を低下させる。2)合併企業で、系列関係がある場合には合併効果は負であるが、独立系の企業ではあまり変化がない。 1981年より98年までの89社の場合では、合併の公表日の3日前後において、統計的に有意で1.01%の超過収益率を示しており、合併に負の効果があるこのことは、従来のいくつくかの研究と異なった結果となっている。また、金融機関、特に銀行の株式保有率とは負の超過収益率の関係であり、金融および非金融企業は企業のモニタリングに活発でなく、日本の株式の相互保有は株主の富の極大化をしているわけではないといえる。しかしながら、生命保険のような金融機関は1991年以降においてより積極的にモニタリングしつつある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yasuo Hoshino, Ych Tsung-ming: "Shareholder's Wealth, Bank Control and Lange Shareholders, An Analysis of Japanese Mergers"Japan Journal of Finance. 21・2. 150-166 (2001)
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[Publications] Yasuo Hoshino, Moorad Mansoor: "Entry Mode Choice of the Japanese MNES in Europe : Impact of Firm and Industrial Factors"Japanese Journal of Administrative Sciences. 15・2. (2002)
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[Publications] Yasuo Hoshino, Ych Tsung-ming: "Productivity and Operating Performance of Japanese Merging Firms : Keiretsu-related and independent Mergers"Japan and the World Economy. 14・2. (2002)