2002 Fiscal Year Annual Research Report
企業の変遷過程にみる企業行動の調査と分析--試行的実証研究
Project/Area Number |
13630139
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
関口 秀子 神戸大学, 経済経営研究所, 助手 (70031391)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 晃 神戸大学, 経済経営研究所, 助教授 (70243368)
|
Keywords | 企業変遷 / 企業行動 / 企業系譜図 / 合併 / 設立 / 分離 / 商号変更 |
Research Abstract |
本研究は,わが国企業の設立・合併・分離や組織変更・商号変更等(以下,変遷事由という)の継承関係を中心とする企業変遷を調査し,その結果を図式化した企業系譜図を作成するとともに,各企業の変遷事由を分類した上で,企業行動の結果としての変遷パターンを導出し,企業変遷パターンと企業行動を規制する社会経済的関連性を実証的に明らかとする試行的研究を目的とした。 調査対象社数は六大企業集団から選んだ46社であり,期間は戦後から2002年に至る約半世紀余である。利用した主要データは有価証券報告書(主として「沿革」欄)と当該各社のWeb上ホームページである。 企業系譜図を作成するために,変遷事由として図式化するべき事項を決定し,変遷の背景となった経済的・制度的要因について調査した。当該調査と並行して企業系譜図の作成を行い,46社の系譜図を作成し,併せて変遷パターンを検討した。 得られた主な知見としては,第1は,データを調査した結果,企業毎に変遷事由の記述に精粗があったこと。第2は,企業変遷事由の表記方法が多様であったこと。第3は,作成された企業系譜図の一般的有効性として,当該企業の変遷概要の一覧性と情報のコンパクト化による簡便性が確認できたこと。第4は,個別企業或いは業種間による発展形態の特色,例えば,財閥解体後,財閥系商社の三菱商事は第二会社が発展し,三井物産は新設会社が第二会社を合併する形態で発展した等が明らかとなったこと等である。 残された課題として,利用したデータのみでは変遷事由の表記が多様或いは簡単であり,変遷パターンの導出には若干問題点があることがわかった。解決方法として,(1)各社のより詳細な調査による変遷事由表記の区分けと整理,又は(2)調査社数の増加によるサンプル数の量的拡大のいずれか(双方がより望ましい)が必要であり,引続き検討したいと考えている。
|
Research Products
(2 results)