2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13630146
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
今口 忠政 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (40102941)
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Keywords | 撤退戦略 / 合弁企業 |
Research Abstract |
わが国企業の撤退の現状について理解するために、事業の売却、スピンアウト、合弁の解消などの撤退行動の理論的検討、調査報告書の参照、合弁企業の経営担当者に対するインタビュー調査を実施し、次年度に予定しているわが国企業の撤退行動に関するアンケート調査の枠組みを構築した。 撤退行動の理論的研究については、事業再編、リストラクチャリング、売却などの戦略に関する既存の文献や海外の学位論文を調査した。ゲーム論を用いた退出に関する論説が展開されていることが理解できた。 調査報告書については、中小企業総合企業団によって撤退企業の訪問調査報告書やアンケート調査が実施されている。この資料を用いて、撤退をもたらす原因、撤退の実施プロセスについての現状と問題点を検討した。また、国際経営で触れられている撤退に関する資料や諸説も検討したが、調査の困難さから体系的な研究は少ない状況である。撤退研究の制約と課題は多いといえる。 実際に撤退した企業に対するインタビュー調査は困難であったが、油脂メーカーの海外合弁企業からの撤退について、事情を良く把握している担当者から話を聞くことができ、また、中国上海近郊で中国の繊維メーカーと合弁企業を経営している企業の担当者に、合弁企業を始める契機となった事柄、合弁企業の経営の問題点、経営上の困難さ等についてインタビューすることができ、撤退行動に至る要因の理解を深めることができた。 次年度はこれらの調査活動から得られた知見をもとに、わが国企業の撤退行動に関するアンケート調査を実施し、撤退戦略の策定とマネジメントについて明確化したいと考えている。
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