2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13630167
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤田 昌也 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (70069714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉見 宏 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (90222398)
長吉 真一 九州大学, 大学院・経済学研究院, 助教授 (10315046)
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Keywords | 期待ギャップ / 会計上の不正行為 |
Research Abstract |
イギリスロンドンおよびフランスパリに在住の日本人公認会計士と、監査の期待ギャップに関して研究会をもった。最近の欧州における具体的な問題は,アメリカのエンロン事件に関する会計上の不正行為と,アンダーセン会計事務所の証拠隠滅行為である。これは,訪問先のロンドン・パリ・ローマでの研究会においていずれの会計士もその不透明さを強調しており,また監査人の独立性(監査業務とコンサルティング業務の兼任)から新たな期待ギャップに発展して監査への信頼が損なわれる可能性が高いこと、またその契機になることがおそれられている。 また、期待ギャップを契機に監査概念の変化についての研究結果を発表した。すなわち、監査を行った結果生じる責任故、監査人はその失敗に関連して訴訟の対象となり、これが期待ギャップ問題の存在を顕在化させてきた。かかる問題の回避のために、監査人は、「監査」概念を保証水準の最も高いものに限定しようとした結果であるが、しかし反面、監査人に求められる業務は拡大し、これらを監査ではない監査類似業務として実質的に「監査」実務が拡大しているのが現状であるという結論を得た。 さらに90年代後半から、我が国においても会計制度が大幅に変化しまたそれを取り巻く環境も著しき変化してきたので、10年前に行った期待ギャップのアンケートを、再び来年度は、我が国の公認会計士を対象に行う予定で、準備をすすめている。内容は研究分担者であるマンチェスター大学のハンフリー教授(申請時シェフィールド大学)と研究会を持ち確定している。
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