2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13630169
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
伊藤 嘉博 上智大学, 経済学部, 教授 (10168388)
|
Keywords | 環境品質原価計算 / PAF法 / 環境コストマトリックス / 品質コスト |
Research Abstract |
本研究は、品質価計算の枠組みを環境コストの集計と管理に応用しようとする試みとして、PAF法にもとづく環境品質原価計算の可能性を現実企業における導入実験を中心に探究してきた。すなわち、環境品質原価計算を具合的に展開する際のサポートツールとして、本研究では環境コストマトリックスの利用を提案し、国内の上場企業数社の協力を得て、テストランを実施していただいた。環境コストマトリックスは、品質コストの分析手法である品質コストマトリックスを環境コストの管理に応用すべくアレンジしたもので、PAF法によって4つのタイプに分類された環境コスト相互の関係およびトレードオフを評価し、環境保全プランの作成を支援することを目指すものである。そこで、本研究では、上記の企業を適宜訪問調査し、テストランの過程を観察検討してきた。そして、いまだ未完成ながらも、その成果の一部は著書ならびに論文をつうじて公表した。今後は、これをより完全なツールないしフレームワークに落とし込むために、継続的にケーススタディを続けていくつもりである。 また、環境原価計算に関するアプローチの強弱は国内と国外とではかなりの開きがある。PAF法の考え方を環境原価計算に応用しようとする試みは、もともとは欧米で提案されたものだが、米国などでは環境原価計算の中心テーマはマテリアルフロー原価計算へと移行しつつあることを、米国へ調査旅行を通じて痛感した。ただし、マテリアルフローはPAF環境品質原価計算とも多くの接点を有することから、両者の有機的な統合を図っていくことが今後の大きな課題と思われる。
|
Research Products
(2 results)