2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640035
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中島 徹 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (20244410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 由佳理 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (70285089)
竹田 雄一郎 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (30264584)
徳永 浩雄 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (30211395)
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Keywords | 代数幾何学 / カラビ-ヤウ多様体 / 安定ベクトル束 / モジュライ空間 |
Research Abstract |
本年度の研究の目標はカラビ-ヤウ多様体上の安定束の存在問題を考察することであったが、この問題に関して以下の様な結果を得ることができた。 我々はまず4次元の重み付き射影空間の超曲面の特異点を解消して得られる3次元カラビ-ヤウ多様体上で具体的に階数2の安定束を構成し、それらのモジュライ空間の幾何学を研究した。この様なカラビ-ヤウ多様体を考察した理由は、これらがK3曲面をファイバーとする射影直線上のファイバー構造をもつからである。セール対応を用いると、非特異ファイバーに含まれる有理曲線から階数2の安定束が構成でき、2次のチャーン類が小さいときにはそれらの安定束の作るモジュライ空間の双有理的構造が決定された。 第二の成果として、一般のカラビ-ヤウ多様体上で層の拡大によって安定束を構成する強力な方法を得た。我々は、向井茂氏によって導入された反射関手の概念を用いることによって、チャーン類が適当な極小性を満たすときには低い階数の安定束から高階の安定束を帰納的に構成できることを証明した。これによって一般のカラビ-ヤウ多様体に対して安定束が存在する為の十分条件を得ることができた。 第三の成果は安定束に対してある種の双対性が成立することを証明したことである。我々はモジュライ空間の中で与えれた次元のコホモロジーをもつ安定束の成す部分集合としてBrill-Noether軌跡の概念を定義し、反射関手がベクトル束の安定性を保存することを証明した。これから、異なる向井ベクトルに対応するBrill-Noether軌跡の間に同型写像が存在することが導かれる。この様な同型写像(Brill-Noether双対性)は今後モジュライ空間の幾何学の研究において重要な役割を果たすと期待される。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hiro-o Tokunaga, E.Artal, J.I.Cogolludo, J.Carmona: "Sextics with singular points in special position"Journal of Knot Theory and Its Ramifications. 10. 547-578 (2001)