2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640040
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
小松 弘明 岡山県立大学, 情報理工学部, 助教授 (10178361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 惇 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (30032824)
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Keywords | 微分加群 / 環拡大 / 行列環 / 微分作用素 / 一般微分 |
Research Abstract |
1.非可換環拡大の高次微分加群 高次微分加群は可換多元環を特徴付けるものとして古くから研究されてきた。高次微分加群の概念は先駆者によって非可換多元環にまで拡張されていたが、昨年度の本研究においてさらに非可換環の環拡大にまで拡張することに成功した。しかし、その手法は可換環の理論を単純に引き継いだものであり、片側加群についての情報が主となり、両側加群については、ある意味で特殊な情報しか得られなかった。本年度の研究では、両側加群に値をとる通常のderivationを高次化して得られる微分作用素を新たに定義した。この定義は従来の微分作用素をも包含する極めて自然なものである。さらに、(新)高次微分作用素を表現する微分加群を構成することに成功し、それらの間の基本的な完全系列を得た。また、分離拡大の特徴付けも得た。 2.可逆一般微分 1で述べた新しい意味での1次の微分作用素は、一般微分という概念とも一致する。高次化の基礎として、一般微分について研究を行った。特に、零とは異なる値がすべて可逆であるような一般微分(可逆一般微分と呼ぶ)をもつ環を決定した。標数2の斜体上の2次の全行列環の場合を除き、環構造および可逆一般微分の形を完全に決定することに成功した。これは、微分に関するJ.Bergen・I.N.Herstein・C.Lanskiの結果を真に包含するものであり、彼らが得られなかった行列環の可逆微分の形をも提供するものである。 3.一般微分の一般論 作用素論においては、しばしば単位元の存在しない環が扱われる。そのような世界では、一般微分の定義でさえ何通りかが提案されている。その中で最も汎用性が高いG.F.Leger・E.M.Luksによる「三組」を用いた定義に基づいて一般微分の一般論を研究した。特に、全行列環の「三組」を決定することに成功した。また、単位元を有する環に対しては、「三組」を極めて簡明な形で記述することに成功した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hiroaki Komatsu: "Generalized derivations with invertible values"Communications in Algebra. (in press).
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[Publications] Naoki Hamaguchi: "Derivations of skew polynomial rings"Publications de l' Institut Mathematique. (to appear).
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[Publications] Nurcan Argac: "On orthogonal generalized derivations of semiprinie rings"Turkish Journal of Mathematics. (to appear).