2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640062
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
久我 健一 千葉大学, 理学部, 助教授 (30186374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 健一 千葉大学, 理学部, 助教授 (90206441)
稲葉 尚志 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40125901)
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Keywords | 3次元多様体 / 双曲構造 / Kashaev不変量 / colored Jones不変量 / 体積予想 / L^2-トージョン / Chern-Simons理論 / 位相的場の理論 |
Research Abstract |
Chern-Simons位相場の理論と双曲構造の関連の中で明確な問題の形をとってきた体積予想に関して重点的に研究し、以下の進展を見た。3次元球面中に双曲結び目を考え、結び目図式を固定してKashaevのR行列を用いてcolored Jones不変量を計算し、その極限を(停留法によって)ダイログ関数で与える。他方結び目の基本群からL^2-トージョンを求める。L^2-トージョンは双曲体積を与えることがわかっているから、この両者が一致することを示せばよい。我々の発見は結び目図式から次の形で基本群の表示を作ると、得られるL^2-トージョンがダイログ関数によるKashaev不変量の極限の表示ときわめて似てくるという点である。すなわち具体的には結び目図式の各領域に対し、そこを垂直に通過する直線を無限遠点を基点とするループと考え、生成元とする。関係子は各頂点からくる。Wirtinger表示では頂点から3元関係式がえられるが、この表示では頂点に隣接する4領域に関する関係式となりR行列の極限にうまく対応する。この表示のもう一つの重要な利点は、結び目群に関するワード問題が可解であることが、組み合わせ群論から見やすい形になっていることである。我々のアプローチではL^2-トージョンの計算で単位元の係数をトレースとして計算するので、ワード問題が具体的に解けなければならないので、この性質が重要なのである。以上のことから残る問題は2つの類似する極限値が一致することをみることに体積予想が帰着された。これはダイログ関数の組み合わせ的性質を用いて初等的にできても不思議ではない状況だが、現時点で解決には至っていない。
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