2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640068
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
印南 信宏 新潟大学, 理学部, 教授 (20160145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関川 浩永 新潟大学, 理学部, 教授 (60018661)
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Keywords | 測地線の幾何学 / リーマン幾何学 |
Research Abstract |
曲面上の測地線をコンピュータを用いて可視化できたとして、その応用として何ができるか。この点についての方向付けが得られたことが本年度の成果である。微分幾何学(特に、測地線の幾何学)と計算幾何学を繋ぐ分野として離散数学の一部分である離散幾何学がある。ユークリッド空間の中の線分の替わりにリーマン多様体上で最短測地線を使うことにすると、可視性問題に関係する美術館問題、要塞問題、刑務所問題や最短ネットワーク問題に関係する最小全域木問題、最小シュタイナー木問題や詰め込み問題に関係するボロノイ図やボロノイ領域問題等は、リーマン幾何学の測地線論や多様体の有限性問題と深く関連する。特に、リーマン多様体上での最小シュタイナー木の性質やリーマン多様体上でのボロノイ領域の研究は重要である。残念ながら、離散幾何学とリーマン幾何学の交流は現在まで殆どなかったため密接な結び付きを主張したものはなかった。最小シュタイナー木問題に対しては、ユークリッド平面上の最小シュタイナー木が持っている性質の殆どは、2次元リーマン多様体上の最小シュタイナー木に対しでも成立するので、理論の移行は可能である。また、ボロノイ領域に対しては、元のリーマン多様体がボロノイ領域の境界を適当に貼り合わせることによって得られることを考えると、その個数と位相構造との間に密接な関係がある。今後は、本研究の成果を踏まえ、ユークリッド空間の場合と異なる性質を見つけ出すのが課題である。
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Research Products
(1 results)