2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640112
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
原 隆 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (20228620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志賀 徳造 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60025418)
服部 哲弥 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (10180902)
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Keywords | パーコレーション / 臨界現象 / 臨界点 / くりこみ群 / 階層モデル / 特性関数 / 2点関数 |
Research Abstract |
主に2つの題材について研究を行った。 1.自己回避ランダムウォーク,パーコレーションなどの確率論的モデルについて,その2点関数が臨界点でどのように振る舞うか(距離と共にどのように減衰するか)を詳しく調べた.これらのモデルは系の次元がある程度大きいとき(系の「臨界次元」よりも大きい場合),「平均場的な臨界現象」とよばれる,簡単な臨界現象を示すことが色々な研究でわかってきている.しかし,臨界点直上における2点関数の減衰そのものを調べた研究は非常に少なく,結果も少ない.そこで,この科研費による研究では,系の臨界点での2点関数の減衰を研究し,系の次元が十分に高い場合には2点関数が単純ランダムウォークなどと同じ,「平均場的な臨界現象」を示すことを証明した. 2.臨界現象の解析には「くりこみ群」の方法が非常に有効と思われるが,その数学的に厳密な解析は非常に難しい.この研究では「階層イジングモデル」と呼ばれる簡単化されたイジングモデルについて系の次元が4以上の場合,くりこみ群変換を厳密に遂行することを行った.このモデルの臨界点においてはくりこみ群変換の結果はガウス型固定点に吸い込まれるであろう事が長年,予想されてきた.しかし,その予想を現実に証明するのは非常に難しく,誰も成功していなかったものである.我々は特性関数の方法を用い,かつコンピューターによる計算も援用することで,このモデルに対する厳密なくりこみ群変換を実行することに成功した.結果は長年の予想を裏付けるものである.なお,現在のところ,我々の解析は「階層モデル」に限られている.
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Research Products
(1 results)