2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640119
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
竹内 敏己 徳島大学, 工学部, 助教授 (30264964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 仁司 徳島大学, 工学部, 教授 (80203298)
中村 正彰 日本大学, 理工学部, 助教授 (00017419)
池田 勉 龍谷大学, 理工学部, 教授 (50151296)
坂口 秀雄 徳島大学, 工学部, 助手 (80274265)
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Keywords | 自由境界問題 / 数値計算 / スペクトル選点法 / 領域分割 / 高精度 |
Research Abstract |
偏微分方程式に対する数値計算手法として無限精度数値シミュレーション法が徳島大学のグループによって開発されている。無限精度数値シミュレーション法は,逆問題や自由境界問題等計算精度を要求される問題に対しても任意に精度を上げることができる数値計算手法である。本年は、無限精度数値シミュレーション法に領域分割法を組み合わせたときの計算精度についての研究を行った。テスト問題として、一つのパラメータを含む厳密解のわかっている2階常微分方程式を取り上げた。また、パラメータの絶対値が大きいとき、厳密解が階段関数に近づくように問題を設定した。この問題に対して1000桁の多倍長実数を用いて数値計算を行った。無限精度数値シミュレーションではスペクトル選点法を用いて数値計算を行うが、スペクトル選点法の次数を1000とし、領域分割法を使用しないで数値計算を行った場合の有効桁数(厳密解と数値解の一致する桁数)が8桁だったのに対し、領域分割法を用いて領域を3分割し、それぞれの領域におけるスペクトル選点法の次数を200,600、200とした場合の有効桁数は40桁となり、飛躍的に計算精度が向上した。階段関数のような一部分で選点が多く必要となる関数に対しては領域分割法が有効に作用することが確認された。また、数値計算でほとんどの時間を費やす連立一次方程式のソルバーについても研究を行った。上記数値計算の場合、領域分割法を使用しないとき現れる係数行列は密行列となるので、通常はGAUSSの消去法を用いて解いている。領域分割法を用いた場合、密行列ではなくブロック行列が現れる。これに対しては、GAUSSの消去法だけではなく、反復法である前処理付きBiCG-CTAB法を用いて数値計算を行った。その結果反復213回で収束し、反復法でも数値計算が可能であることが確認された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takao Hanada, N.Ishimura, Masa Aki Nakamura: "Numerical and analytical study on the Eguchi-Oki-Matsumura equations"Proceedings of Fifth China-Japan Seminar on Numerical Mathematics, Science Press. 38-46 (2002)
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[Publications] 花田孝朗, 石村直之, 中村正彰: "Eguchi-Oki-Matsumura方程式の解の構造"京都大学数理解析研究所講究録. Vol.1288. 11-19 (2002)
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[Publications] H.Imai, H.Sakaguchi, T.Hishinuma, T.Takeuchi: "Parallel Computing in Infinite Precision Numerical Simulation for PDE Systems"Proceedings of Fifth China-Japan Seminar on Numerical Mathematics, Science Press. 141-153 (2002)
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[Publications] Toshiki Takeuchi, Hitoshi Imai: "Domain Decomposition Method and Infinite-Precision Numerical Simulation"京都大学数理解析研究所講究録. Vol.1288. 102-107 (2002)
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[Publications] 竹内敏己, 坂口秀雄, 金成海, 今井仁司: "DDMをIPNSに適用したときに現れる連立一次方程式と反復法について"日本応用数理学会2002年度年会要旨集. 64-64 (2002)
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[Publications] 竹内敏己, 今井仁司, 磯祐介: "熱伝導方程式に関する逆問題の無限精度並列数値シミュレーション"第52回応用力学連合講演会講演論文集. 197-197 (2003)