2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640119
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
竹内 敏己 徳島大学, 工学部, 教授 (30264964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 仁司 徳島大学, 工学部, 教授 (80203298)
中村 正彰 日本大学, 理工学部, 教授 (00017419)
池田 勉 龍谷大学, 理工学部, 教授 (50151296)
坂口 秀雄 徳島大学, 工学部, 助手 (80274265)
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Keywords | 自由境界問題 / 数値計算手法 / スペクトル選点法 / 領域分割法 / 高精度数値計算 / 写像変換 |
Research Abstract |
双曲型方程式や反応拡散方程式等の偏微分方程式に一定の形、速度の進行波解が現れる場合に、その進行波解を高精度に求める手法の研究を行った。基本的な数値手法としては高精度数値計算が可能である無限精度数値シミュレーション法を用いた。進行波解の速度は、空間一次元の発展方程式の解の等高点として表すことができ、この発展方程式と等高点の方程式を合わせて自由境界問題として扱うことが可能である。これまでに得られた自由境界問題に対する無限精度数値シミュレーション法を、この自由境界問題に対して用いることにより進行波解の速度を高精度で求めた。具体的には、進行波解が厳密に得られている双曲型方程式に対して計算を実行し、任意精度の数値解が得られることを確認した。メモリ、CPU等の計算機の性能さえ許せば、スペクトル選点法の次数および多倍長実数の桁数を上げることによって、理論上はどんな高精度な解でも得ることができる。実際にはハードウェアから受ける制限のため、ある程度以上の高精度解は得られないが、これに対しては数値計算手法を工夫することで、より高精度の解を得ることが可能となる。この目的のために、本研究ではさらに領域分割法を使用し計算効率を高めるための研究を行った。具体的には、自由境界で区切られる領域に対して領域分割法を用いて、領域毎に写像関数を用いて矩形領域の問題に変換し、無限精度数値シミュレーション法を用いて数値計算を実行した。その結果、自由境界問題に対して領域分割法は有効な手法であることを確認した。また、逆問題であるCauchy問題に対しても、領域分割法および無限精度数値シミュレーション法を組み合わせて数値計算を実行し、任意精度の数値解が得られることを確認した。この際に、元の問題と同値な問題にするための領域間の接合条件に対する研究も行い、実際に数値計算で元の問題の解が高精度に得られることを確認した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Toshiki Takeuchi: "Direct Numerical Simulations of Cauchy Problems for the Laplace Operator"Advances in Mathematical Sciences and Applications. Vol 13・No.2. 587-609 (2003)
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[Publications] 竹内敏己: "アメリカンオプションの前密な評価と自由境界問題"第52回応用力学連合講演会講演論文集. 501-502 (2003)
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[Publications] 竹内敏己: "第一種積分方程式の様々な無限精度数値計算"日本応用数理学会2003年度年会講演予稿集. 44-45 (2003)
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[Publications] 今井仁司: "ラプラス作用素のCauchy問題に対する領域分割による無限精度数値計算"日本数学会2003年度秋季総合分科会応用数学分科会講演アブストラクト. 98-101 (2003)
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[Publications] 今井仁司: "円領域の偏微分方程式に対する無限精度数値シミュレーション"応用数学合同研究集会報告集. 159-162 (2003)
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[Publications] 坂口秀雄: "等高点追跡の無限精度数値計算法の提案とその並列計算"第53回応用力学連合講演会講演論文集. 405-406 (2004)