2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640136
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宝来 正子(高橋 正子) 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (00015588)
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Keywords | 論理関数 / 最適展開 / ブール代数 / クローン理論 / 多値論理 |
Research Abstract |
本研究の主な目的は論理関数(ブール関数及び多値論理関数)の様々な性質を調べ、分類した上で関数及び関数族の最適な表現を得ることである。二値論理に相当するブール関数が論理回路やスィッチング理論などへの応用が多く重要な話題である。その内、たくさんの重要な最適化の問題に対して完璧な解答は困難であることは良く知られている。一般的な多値論理関数の場合でも特に普遍代数(Universal Algebra)に応用が益々増えているが、解決していない問題は極めて多い。 我々は次の二つの具体的な課題を中心にして一年間研究を行った。 (1)多値論理クローンが作る束の構造は極めて複雑であるが、この束を既約なクローンを用いて代数的な演算でジェネレートする問題を検討した。Post束の場合最大二つのジェネレータで全てのクローンは表すことができた。その結果は平成15年5月にISMVL国際会議で発表しIEEE Press社で会議のProceedingsに出版された。その後、多値論理関数の束における既約なクローンのいくつかのチェーンを発見し、それらの全貌を解明した。その結果は今年の5月にカナダで行われる同会議で発表することが決まった。 (2)関数の最適展開に関する重要な研究課題について具体的な形式による展開の問題を研究した。 即ち、任意のブール関数のため最短ESOP式を作るアルゴリズムを作成した。昨年3月にドイツにおける国際会議で発表した。本年に入りこのアルゴリズムを大分改善し全ての5変数までの関数を最短ESOP式で展開した。その結果は9月に日本多値論理研究会で発表した。 また、Post束に現れるブール関数の全てのクローンを簡潔な「項」で表した論文は2003年中に学術雑誌Discrete Mathematicsから出版される予定だったが、同出版社のDiscrete Applied Mathematicsの「ブール関数の増刊号」に繰り入れされ、2004年中に出版される予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Grant R.Pogosyan, Ivo G.Rosenberg: "An Algorithm for Optimal Representation of a Partial Boolean Function as a mod2 Sum of Products"Proceedings of 6th International Symposium on Representations and Methodology of Future Computing Technology. RM2003. 27-34 (2003)
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[Publications] Grant R.Pogosyan, Ivo G.Rosenberg: "Generation of the Post Lattice by Irreducible Clones."Proceedings of 33rd International Symposium on Multiple-Valued Logic. IEEE Press. ISMVL2003. 309-314 (2003)
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[Publications] Grant R.Pogosyan, Ivo G.Rosenberg, Seiya Takada: "ESOP最小化アルゴリズムについて"多値論理研究ノート 日本多値論理研究会. 第26巻 第1号. 1-11 (2003)
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[Publications] Stephan Foldes, Grant R.Pogosyan: "Post Classes Characterized by Functional Terms"Discrete Applied Mathematics. Elsevier Publishers, North Holland. (to appear). (2004)
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[Publications] Grant R.Pogosyan, Ivo G.Rosenberg: "Algebraic Properties of Totally Irreducible Elements of Clone Lattices"Proceedings of 34rd International Symposium on Multiple-Valued Logic. IEEE Press. (to appear in May). (2004)
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[Publications] 高橋 正子: "プログラムの起源を探る"数学教育学会誌. 秋季臨時増刊号. 78-80 (2003)
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[Publications] 高橋 正子(分担執筆): "「岩波 数学辞典」第4版"岩波書店(12月刊行予定). (2004)