2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640166
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 紀明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50154563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石毛 和弘 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (90272020)
三宅 正武 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70019496)
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Keywords | 調和関数 / 熱方程式 / ディリクレ問題 / 平均値の定理 / 熱球 |
Research Abstract |
本研究の目的は偏微分方程式の解の接続と一意性に対して,ポテンシャル論的手法を用いた解析を行うことである.以下の研究成果を得た. 1.熱方程式の解の持つ平均値の性質が熱球を特徴付けることを2001年にProc. Amer. Math. Soc.に発表したが,それを一般化した形で環状領域の特徴付けを行いその結果を数理解析研究所の講究録に発表した.これらの結果を踏まえて,平均値の性質を満たす密度関数の存在する領域についての考察を始めた.特にディリクレ正則性との関係や有界な密度を持つ領域,下限が正の密度を持つ領域についての若干の結果を得,それらを発展させることは今後の具体的な課題となった. 2.容量を使った調和関数の一意接続に関する特徴付けを行った.2次元の場合は複素関数論によって完全に特徴付けられたが,3次元以上の場合はまだ課題も多い. 3.熱方程式のディリクレ境界値問題において,境界値として多項式を与えたときに,多項式の解を持つ領域はどんなものかについて考察した.特に,境界が多項式の零点集合で与えられているとき,多項式の次数が3以下の場合についての結果をBull. Aichi Inst. Tech.に発表するとともに,次数が4以上の場合にはエルミート多項式の零点に関する性質がこの問題と関わっていることを示した. 4.α次の放物型作用素の解の一意性の問題と関連して,この解の作るベルグマン空間の要素が持つホイヘンス性や双対空間の構造についての研究を始めた.まだ基礎的段階であるが,α=1/2のときはラプラス方程式が,α=1の時は熱方程式が対応しており,それらを統一的にとり扱うことが可能と思われる.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Noriaki Suzuki: "A characterization of heat balls by a mean value property for temperatures"Proc. Amer. Math. Soc.. 129. 2709-2713 (2001)
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[Publications] Gou Nakamura: "Polynomial solutions to boundary-value problems of the heat equation"Bull. Aichi Inst. Tech.. 37. 33-38 (2002)
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[Publications] Noriaki Suzuki: "Mean value property for temperatures on an annlus domain"数理解析研究所講究録. 1293. 168-174 (2002)
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[Publications] 鈴木紀明: "数学基礎・複素関数"培風館. 197 (2001)