2002 Fiscal Year Annual Research Report
粘性非圧縮流体の運動方程式に対する解の大域的存在に関する研究
Project/Area Number |
13640179
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
加藤 久子 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (00038457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 一男 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (20280860)
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Keywords | Navier-Stokes flow / non-Newtonian flow / 解の時間大域的存在 / 解の一意存在 / 速度勾配 / 非圧縮性 / 粘性 / 応力テンソル |
Research Abstract |
考察している問題は3次元空間の有界領域におけるNavier-Stokes方程式に対する初期境界値問題である。これに対し、与えられた初速度が十分小さければ無限時間にわたって解の存在が証明されている。一方において、大きい初速度が与えられたとき、「時間大域的強解(global strong solution)の存在問題」は未解決のままである。この状況のもとで、一つのmodified Navier-Stokes方程式を見つけた。この方程式を基にして「non-Newtonian流に変化するNavier-Stokes流」の構想を導入した。そうすると大きさに制限をおくことなしに、与えられた初速度に対して速度勾配が小さい時間にはNavier-Stokes流となり速度勾配が大きい時間にはnon-Newtonian流となって時間大域的に解が存在する。さらに、外力をゼロとしたとき(一般性は失われない)、初速度によって決まるある時刻からはNavier-Stokes流u(x, t)(t∈[T_a,∞))が一意に対応する。さらに、対応:初速度a(x)→u(x,t)t∈[T_a,∞)は1対1対応になる。そして小さい初速度に対してはT_a=0となり今までに知られている結果と一致する。 上で述べたmodified Navier-Stokes方程式は物理的背景を考察することによって得たものである:Navier-Stokes方程式は流体の変形速度と内部応力との間に「線形関係」を仮定して導かれたものである。したがって、変形速度が十分小さいときはNavier-Stokes方程式は流体の運動を良く表している。しかし変形速度が大きくなる時間においては、注意深い洞察が必要であると思う。この研究では粘性項の'modification'を考案した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hisako Kato: "Nonstationary Navier-Stokes flows changing to non-Newtonian flows"Kyushu University, Preprint Series, Mathematics. 27. 1-19 (2002)
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[Publications] Joachim Escher: "On a limiting motion and self-intersections for the intermediate surface diffusion flow"J. Evolution Equations. 2. 349-364 (2002)
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[Publications] Kazuo Ito: "Loss of convexity of compact hypersurfaces moved by surface diffusion"Communication in Applied Analysis. 6. 105-126 (2002)