2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640184
|
Research Institution | Osaka Women's University |
Principal Investigator |
松本 和子 大阪女子大学, 理学部, 助教授 (60239093)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 本夫 大阪女子大学, 理学部, 教授 (70127885)
渡辺 孝 大阪女子大学, 理学部, 教授 (20089957)
石原 和夫 大阪女子大学, 理学部, 教授 (90090563)
吉富 賢太郎 大阪女子大学, 理学部, 講師 (10305609)
入江 幸右衛門 大阪女子大学, 理学部, 教授 (40151691)
|
Keywords | 擬凸領域 / Levi形式 / 多変数関数論 / 複素解析学 |
Research Abstract |
今年度は,滑らかな境界を持つ擬凸領域について,境界の幾何と領域上の関数論との関係を微分幾何学的に調べた.LeviやOkaにより,領域が正則領域であるための必要十分条件は境界が擬凸であることや,境界距離関数の-logが多重劣調和であることは知られている.またGrauertにより領域がSteinであるための必要十分条件は,「強」多重劣調和なexhaustion functionが存在することである.これらのことは,多変数関数論の基礎となっていて,領域の関数論的性質の研究の際に,境界距離関数の研究は重要である.しかし,境界が「強」擬凸な場合を除き,境界距離関数の直接的な研究は,従来は行える段階にはなかった. 最近,Levi平坦超曲面の研究が進み,それらの問題との関係で,境界距離関数の微分幾何学的な研究の必要性が強まり,研究を進めた結果,(1)一般次元複素Euclid空間の複素部分多様体 (2)2次元複素Euclid空間の実部分多様体 に対する距離のLevi formを,境界の条件によりexplicitに表示することができた.その応用として,Levi平坦超曲面と複素可展面との関係を見出した.また,2次元複素トーラス内の「Steinでない擬凸領域」は,Grauertによって指摘されたタイプのもの,つまり境界がCとの直積であるものに限ることを,距離関数のLevi formの退化条件から説明することができた.n次元の場合に対する部分的結果も得ているが,この点はまだ不十分で,今後の課題である.
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Kazuko Matsumoto: "Some geometric properties of Levi form of distance to real hypersurfaces in C^2"Japanese Journal of Mathematics. 30・1. (2004)
-
[Publications] Kazuko Matsumoto: "Levi form of logorithmic distance to complex submanufolds and its application to developability"Advanced Studies in Pure Mathematics. (近刊).
-
[Publications] Moto O'uchi: "Coring structures associated with multiplicative unitary operators on Hilbert C^*-modules"For East Journal of Mathematical Sciences. 11・2. 121-136 (2003)
-
[Publications] Takashi Watanabe: "On the Bott suspension map for non-compact Lie groups"Journal of Mathematics of Kyoto University. 43・4. (2003)
-
[Publications] Kouyemon Iriye: "On phantom maps into suspension spaces"Journal of Mathematics of Kyoto University. 43・4. (2003)