2002 Fiscal Year Annual Research Report
時間遅れをもつ方程式の解の相空間における表現公式とその応用
Project/Area Number |
13640197
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
村上 悟 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40123963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 茂夫 岡山理科大学, 理学部, 教授 (80022680)
吉田 憲一 岡山理科大学, 理学部, 教授 (60028264)
濱谷 義弘 岡山理科大学, 総合情報学部, 助教授 (40228549)
示野 信一 岡山理科大学, 理学部, 助教授 (60254140)
栗林 勝彦 岡山理科大学, 理学部, 助教授 (40249751)
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Keywords | 関数微分方程式 / 相空間 / 定数変化法の公式 / 安定性 / 概周期解 / 解作用素 / スペクトル / 線形化原理 |
Research Abstract |
研究代表者を中心に,学内における9名の研究分担者が課題名の研究を行い,以下に述べる研究成果を得た. 1.村上は,時間遅れをもつ方程式の典型例である関数微分方程式を扱い、バナッハ空間における周期的線形関数微分方程式に対して相空間における解の表現公式を確立した。また、その表現公式を安定部分と不安定部分に分解し、その不安定部分が常微分方程式と同値になることを導くことにより、概周期解や準周期解に対するMassera型の存在定理を確立し、解のBohrスペクトルについての関係を導いた。一方、非線形自励関数微分方程式に対して局所安定多様体、局所不安定多様体および局所中心不安定多様体の存在を確立し、解の安定性問題に応用した。さらに、人口モデルである時間遅れをもつ偏微分方程式に対して前述の結果を適用して、その平衡解の安定性および不安定性を調べた。 離散力学系のひとつであるバナッハ空間のおけるボルテラ差分方程式も扱い、特性作用素のスペクトルとの関係でその零解の指数安定性の特徴づけを行い、区分的不連続な時間遅れをもつ方程式に応用した。 2.濱谷は、自励系の差分方程式に対してリャプノフ関数の2階差分を利用することにより、零に近づく解の存在や、零の近くから出る解が無限大に発散することなどの解の漸近挙動を調べた。 3.栗林は、形式空間から誘導される引き戻し空間のコホモロジーに収束するEilenberg-Mooreスペクトル系列を空間の代数的モデルを用いて考察し、ある自明化定理を証明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Satoru Murakami: "Massera's theorem for almost periodic solutions of functional differential equations"Journal of Mathematical Society of Japan. (発表予定).
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[Publications] Satoru Murakami: "Some invariant manifolds for abstract functional differential equations and linearized stabilities"Vietnam Journal of Mathematics. (発表予定).
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[Publications] Yoshiyuki Hino: "A variation-of-constants formula for abstract functional differential equations in the phase space"Journal of Differential Equations. 179. 336-355 (2002)
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[Publications] Yoshiyuki Hino: "Decomposition of variation of constants formula for abstract functional differential equations"Funkcial. Ekvac.. 45・3. 341-372 (2002)
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[Publications] Yoshiyuki Hino: "Limiting equations and some stability propertiesf for asymptotically almost periodic functional differential equations with infinite delay"Tohoku Mathematical Journal. 54. 239-257 (2002)
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[Publications] Tetsuo Furumochi: "Stabilities in Volterra difference equations on a Banach space"Fields Institute Communications. (発表予定).