2002 Fiscal Year Annual Research Report
作用素環論におけるsubfactorの分類とその応用
Project/Area Number |
13640204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河東 泰之 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90214684)
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Keywords | 作用素環 / 場の量子論 / subfactor / conformal field theory / alpha-induction / Virasoro algebra / central charge / topological invariant |
Research Abstract |
まず,佐藤信哉,和久井道久との共同研究で,unitary 6j-symbolから生じる3次元topological quantum field theoryについて調べた.Turaev-Viro-Ocneanuの構成法によって,unitary 6j-symbolから3次元閉多様体の複素数値位相不変量を作ることができる.一方,unitary 6j-symbolに対して,Drinfel'dのquantum double構成法の一般化がOcneanuによって考えられているので,これを適用すればmodular tensor categoryが作り出せる.すると,そこから,Reshetikhin-Turaevの構成法でやはり,3次元閉多様体の複素数値位相不変量を作ることができる.当然,この二つの位相不変量の関係が問題になるが,両者が一致することを我々は証明した.Unitary 6j-symbolは作用素環論におけるsubfactorから生じることがOcneanuによって知られており,通常の量子群論で知られているもののほかにもいくつか例が構成されている.佐藤,和久井はこの結果を用いて多くの例について具体的な計算を行っている. ついで,Longoと,作用素環の2次元共形ネットの分類について研究した.「運動群」が微分同相写像群である場合は,実数に値を持つ不変量"central charge"が定義できることに基づき,central chargeが1未満の場合の完全分類を与えた.1次元共形ネットの場合について,同様の分類理論をLongoと昨年度に得ており,そこでも,A-D-E型Dynkin図形の対が現れるが,1次元の場合は,D_<2n+1>,E_7が現れなかったのに対し,2次元ではこれらも分類表に現れる.1次元の場合の分類結果を用いるのだが,tensor categoryの2-cohomology群が新たな研究対象として自然に現れる点が新しい.Virasoro algebraに関連したtensor categoryについて,このcohomology群の消滅定理を示すことが重要なステップとなる.
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Research Products
(1 results)