2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640207
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Research Institution | YOKOHAMA NATIONAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鵜飼 正二 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30047170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩路 直樹 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授 (50215943)
今野 紀雄 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (80205575)
平野 維倫 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (80134815)
森本 浩子 明治大学, 理工学部, 教授 (50061974)
谷 温之 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (90118969)
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Keywords | 多重スケール解析 / Boltzmann方程式 / 半無限空間境界値問題 / 境界層 / 定常解 / 可解性条件 / 漸近安定性 |
Research Abstract |
非線形境界層解の漸近安定性についての研究: 半無限空間における非線形Boltzmann方程式の定常境界値問題は、境界層理論の中で最も基本的な問題である。既に80年代にC.Bardos, F.Golseらは、ある積分条件の下で一意的な解が存在することを示していた。しかし非線形問題は長らく未解決であったが、前年度に本研究代表者が香港市立大学数学科のT.Yang教授およびS.Yu助教授と行った共同研究により、初めて非線形可解性条件が明らかになった。すなわち、ある条件を満たす境界データに対してのみ解が存在すること、条件の個数は無限遠におけるMach数の大きさに依存すること、また、解を持つ巨魁データの全体は滑らかな多様体を成すこと、を証明した。本年度は、このように得られる定常解の安定性の研究を行った。まず、無限遠のMach数が-1より小さい場合にこの定常解は時間的に指数的漸近安定であることを証明した。そのために、対応する時間発展方程式をこの定常解のまわりで線形化した方程式を考える。それに含まれている有限次元作用素が、今の条件の下では負定値になることを見出した。これを用いるとエネルギー不等式が得られ、これより線形化方程式の解の時間に関する指数的減衰評価が導ける。これはL^N評価である。これよりbootstrapping手法を用いてL^2評価を導くことができる。これを用いて非線形解の漸近安定性を不動点定理を用いて証明した。この結果はCommunications Math.Phys.に受理された。 さらに引き続き、Mach数が1より大きな場合の定常解の漸近安定性の研究を行った。この場合には、上記有限次元差要素が正定値となり、上記の証明法は適用できない。しかし、境界値は時間的に指数減数することの証明に成功し、これと全空間におけるGreen関数の性質を組合すことにより漸近安定性を証明できた。大きな違いは、収束は指数関数的ではなく多項式的である。この研究も上記のT.Yang教授とS.Yu助教授との共同研究であり現在投稿準備中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Seiji Ukai, Tong Yang, Shih-Hsien Yu.: "Nonlinear stability of boundary layers of the Boltzmann equation. 1. The case M<-1"Commun.Math.Phys.. (2004年度掲載予定). (2004)
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[Publications] Seiji Ukai, Tong Yang, Shih-Hsien Yu.: "Nonlinear boundary layers of the Boltzmann equation"Commun.Math.Phys.. 236. 373-393 (2003)
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[Publications] Seiji Ukai, Tong Yang, Shih-Hsien Yu.: "Nonlinear boundary layers of the Boltzmann equation"Hyperbolic Problems : Theory, Numerics Applications : Proc.Ninth Int'l Conf.on Hyperbolic Problems, CalTech., Pasade March 25-29,2002 (Ed.. T.Y.Hou, E.Tadmor,), Springer, Berlin. 103-110 (2003)
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[Publications] Hiromichi Itho, Naoto Tanaka, Atusi Tani: "The initial value problem for the Navier-Stokes equations with general slip boundary condition in Holder spaces"J.Math Fluid Mech.. 5. 275-301 (2003)
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[Publications] Naoto Tanaka, Atusi Tani: "Surface waves for a compressible viscous fluid"J.Math. Fluid Mech.. 5. 303-363 (2003)
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[Publications] Norio Konn, Takao Namiki, Takahiro Soshi, Aidan Sudbury: "Absorption problems for quantum walks in one dimension"J.Phys.A.. 36. 241-253 (2003)