2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640210
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
泉 正己 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80232362)
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Keywords | 因子環 / 量子群 / 非可換確率論 / 量子等質空間 |
Research Abstract |
ヒルベルト空間の有界作用素からなる環で共役演算と弱作用素位相について閉じたものをフォンノイマン環と言い、フォンノイマン環でその中心がスカラー作用素のみからなるものを因子環と言う。コンパクト群の因子環への作用で、不動点環の相対可換子環がスカラーのみからなるものを極小作用と言う。極小作用はコンパクト群の作用の中でも最も良い性質を持つものであり、リー群の無限テンソル積作用はその典型例である。しかしながら、コンパクト量子群の無限テンソル積作用は極小的になるとは限らず、その不動点環の相対可換子環は双対量子群の非可換ポワッソン境界と同型であることが、当研究者の以前の研究で示された。さらに量子群SUq(2)の場合には、非可換ポワッソン境界が量子等質空間SUq(2)/Tと同一視されることも示されている。 一方Ph.Bianeはリー群SU(n)の双対上のランダムウォークを研究し、そのマーチン境界が随伴表現の空間の球面と同一視できることをn=2のときに示した。また彼の計算は、一般の場合にもこの事実が正しいという予想の根拠となっている。随伴表現の空間の球面へのSU(n)の自然な作用の典型的な軌道は旗多様体である。 S.NeshveyevとL.Tusetとの共同研究で、一般のSUq(n)の双対の非可換ポワソン境界が量子旗多様対SUq(n)/T^<n-1>であると予想し、n=3の場合にこれを示した。その証明は、当研究者が以前の研究でに導入した非可換ポワッソン積分が、ベレジン量子化に現れる写像に酷似していることを利用し、最終的には量子帯球函数の空間へのマルコフ作用素の解析を行うというものである。この方法は一般の古典群のq-変形の場合にも有効であることが期待され、現在その研究を遂行中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Masaki Izumi: "Canonical extension of endomorphisms of type III factors"American Journal of Mathematics. 125. 1-56 (2003)
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[Publications] Masaki Izumi: "Finite group action on C*-algebras with the Rohlin property, I"Duke Mathematical Journal. (発表予定).
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[Publications] Masaki Izumi: "Finite group action on C*-algebras with the Rohlin property, II"Advances in Mathematics. 184・1. 119-160 (2004)