2002 Fiscal Year Annual Research Report
超離散ソリトン方程式の代数構造の究明と工学への応用
Project/Area Number |
13640212
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永井 敦 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (90304039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 弘一 同志社大学, 工学部, 講師 (30314397)
辻本 諭 京都大学, 大学院・情報学研究科, 講師 (60287977)
尾角 正人 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (70221843)
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Keywords | 離散 / 超離散 / 可積分系 / ソリトン / グリーン関数 / ミッタークレフラー関数 / クリスタル |
Research Abstract |
本年度は工学に現れる諸現象に対して、微分方程式モデル、離散モデル、超離散モデルを設定して、その解析を詳細に行った。得られた結果は以下の通りである。 1.流体中の球形粒子やマントルの運動は1/2階または3/2階微分を含む微分方程式で記述される。これらの方程式の解をミッタークレフラー関数と呼ばれる特殊関数によって得ることに成功した。さらにミッタークレフラー関数解を保存するような微分方程式の差分スキームを構成し、その解が離散ミッタークレフラー関数によって記述されることを証明した。 2.板のたわみ問題に現れる重調和作用素の円板内部自己共役境界値問題を設定して、そのグリーン関数およびポアッソン関数を求めた。さらにグリーン関数の積分表示と正値性,階層構造(異なる境界条件下でのグリーン関数の大小関係)の証明およびポアッソン関数の構造定理の導出を行った。 3.非例外型アフィンリー環に付随するクリスタル基底から構成される可積分なセルオートマトンのソリトンについて調べた。ソリトンの多体散乱が2体散乱の積に分解されることを示し、2体の散乱則を組合せRを用いて記述した。 4.2次元戸田格子ヒエラルキーの時間変数を離散化した方程式系を佐藤理論からのアプローチによって定式化した。それと同時に離散戸田方程式系の特殊解および双線形形式を求めた。 5.算術調和平均アルゴリズムやウラムフォンノイマン写像がカオス系ではあるが、厳密解を有している。さらにそれらの解がある行列式で表されることを証明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] A.Nagai: "Discrete Mittag-Leffler function and its applications"数理解析研究所講究録. 1302. 1-20 (2003)
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[Publications] 亀高惟倫, 竹居賢治, 永井 敦: "円板内の重調和作用素に対するグリーン関数とポアッソン関数"数理解析研究所講究録. 1302. 60-67 (2003)
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[Publications] G.Hatayama, A.Kuniba, M.Okado, T.Takagi: "Combinatorial R matrices and a family of crystals B ^<(1)>_n, D^<(1)>_n, A^<(2)>_<2n> and D^<(2)>_<n+1> cases"Journal of Algebra. 247. 577-615 (2002)
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[Publications] G.Hatayama, A.Kuniba, M.Okado, T.Takagi, Y.Yamada: "Scattering rules in soliton cellular automata associated with crystal bases"Comtemporary Mathematics. 297. 151-182 (2002)
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[Publications] S.Tsujimoto: "On a Discrete Analogue of the Two-Dimensional Toda Lattice Hierarchy"Publication RIMS Kyoto University. 38. 113-133 (2002)
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[Publications] K.Kondo, Y.Nakamura: "Determinantal solutions of solvable chaotic systems"J. Comp. Appl. Math.. 145. 361-372 (2002)