2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640231
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡村 定矩 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20114423)
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Keywords | おとめ座銀河団 / 惑星状星雲 |
Research Abstract |
2002年4月24-25日に、おとめ座銀河団の中心近くの1視野を、すばる望遠鏡にSuprime-Camをつけて観測を行った。広帯域はVバンド(15分露出)とRバンド(12分露出)で、また惑星状星雲検出の鍵となる狭帯域は酸素輝線(O[III]5007A)を含むバンド(60分露出)と水素輝線(Ha6563A)を含むバンド(145分露出)で撮像した。この水素輝線(Ha6563A)画像は、これまでこの天域で撮影されたもののうち、世界的にもっとも深い画像である。 従来の惑星状星雲の検出には広帯域バンドとO[III]バンドのみが用いられていたが、Haを加えることによって、遠方の輝線銀河が混入することを避けることができると言う点が我々の研究の特長である。共同研究者を招聘してデータ解析を行い、どのような基準で選択すれば惑星状星雲が間違いなく検出できるかを検討し、その基準を確定した。この新たな基準によって、観測視野(約27分四方)内に、100個を越える惑星状星雲が検出された。銀河に付随しているものが多いが、期待通り銀河に付随しないものもかなりの数が検出された。また、従来銀河に付随する惑星状星雲としてカタログされていた天体のうち、2割以上は誤認の可能性があるという興味深いことが判った。これは、惑星状星雲の光度関数法によって求められたおとめ座銀河団の距離の信頼性にいくばくかの疑念を生じさせるものである。 現在これらの結果を整理して、成果を論文にまとめる作業を進めている。今回撮影したHa画像は、世界で類を見ないほど深いものであり、偶然に視野の中にあったセイファート銀河NGC4388の周りに巨大な電離ガスのフィラメントが広がっている事を発見するという副産物も生み出した。これについてはすでに論文が受理され印刷中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] M.Blanton, et al. (69 authors including S. Okamura): "The Luminosity Function of Galaxies in SDSS Commissioning Data"The Astronomical Journal. 121. 2358-2380 (2001)
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[Publications] M.Ouchi, et al. (13 authors including S. Okamura): "Clustering Properties of Galaxies at z4 in the Subaru/XMM Deep Survey Field"The Astrophysical Journal Letters. 558. L83-L86 (2001)
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[Publications] K.Shimasaku, et al. ( 17authors including S. Okamura): "Statistical Properties of Bright Galaxies in the SDSS Photometric System"The Astrophysical Journal. 122. 1238-1250 (2001)
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[Publications] B.Mobasher, et al. (13 authors including S.Okamura): "A Photometric and Spectroscopic Study of Dwarf and Giant Galaxies in the Coma Cluster-II. Spectroscopic Observations"The Astrophysical Journal Suppl.. 137. 279-296 (2001)
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[Publications] B.Poggianti, et al. (13 authors including S.Okamura): "A Photometric and Spectroscopic Study of Dwarf and Giant Galaxies in the Coma Cluster-III. Spectral Ages and Metallicities"The Astrophysical Journal. 562. 689-712 (2001)
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[Publications] M.Yoshida, et al. ( 20 authors including S.Okamura): "Discovery of Extremely Extended Ionized Gas around the Seyfert 2 Galaxy NGC 4388"The Astrophysical Journal. (in press). (2002)
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[Publications] 岡村定矩 編著: "天文学への招待"朝倉書房. 212 (2001)