2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640239
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 太一 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20283591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 均 九州大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70243855)
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Keywords | 突発天体 / ガンマ線バースト / 激変星 / 超新星 / 新星 / ブラックホール / 降着円盤 / 変光星 |
Research Abstract |
本年度は、観測機器の導入と自動観測システムの構築を主として行うと同時に、京都大学設置の観測装置を用いた突発天体の観測研究を行った。まず、テクニカルイノベーション社ドームを京都大学に設置と初期調整を行った。さらに九州大学にミード社望遠鏡の設置と初期調整を行なった。いずれも第2年度より本格運用を行う計画である。 京都大学においては、1大学設置の観測装置を用いてHETE-2衛星のアラートを受けたガンマ線バーストの光学対応天体の観測、矮変星アウトバーストの観測、特異突発天体の観測などを行った。その結果23年ぶりにアウトバーストを起こした特異な綾新星WZSgeの詳細な観測に史上初めて成功、これまで謎であった早期スーパーハンプの起源についての新しい解釈を提唱することに成功した。さらに測光観測と位置精測を組み合わせることで、激変星1RXSJ232953.9+062814が特異な進化段階にあることを明らかにするなど、数多くの観測的成果を上げることができた。この成果の多くはIAUCや学術論文としてすでに発表され、さらに複数の論文を投稿・準備中である。 九州大学では、突発天体の増光時位置精測定を、京都大学望遠鏡および世界各地で取得された画像から多数行ない、新星や特異突発天体の静穏時天体の同定や固有運動の測定を行なった。特筆すべきものとして、特異変光星V838Mcmの同定を世界に先駆けて行い、特異な素性を明らかにしたこと・IMNorを新しい種類の反復新星と同定したことなどがある。また、極超新星2002apの発見前画像からめ測光、特異な超新星2002aoの急速減光を報告した。さらに、ガンマ線バーストの可視光対応天体の捜索を、HETE-2衛星からのトリガーを含む4例について行ない、GRBO11212,GRBO20124については検出に成功した。これらすべての研究は研究代表者・分担者が運営し、本科学研究費で一層の機能向上を進めている国際変光星ネットワーク(VSNET)を通じて幅広く行われ、この分野で世界に与えたインパクトの大きさは計り知れない。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Kato: "On the Origin of Early Superhunps in Wz Sge-Type Stars"Publ.Astron.Soc.Japan. 54(出版中). (2002)
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[Publications] M.Uemura, T.Kato, R.Ishioka, H.Yamaoka他: "Discovery of a Dwarf Nova Breaking the Standard Seguence Compact Binary Evolution"Publ.Astron.Soc.Japan. 54(出版中). (2002)
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[Publications] T.Kato: "Superhump-like variation during the anomalous state of SU UMa"Astron. and Astrophys. 384. 206-208 (2002)
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[Publications] T.Kato, G.Poyner, T.Kinunen: "V344Lyr : an large-anplitnde SU UMa-type dwarf nova with a short supercycle"Monthly Notices of the Ryyal Astron. Soc.. 330. 53-57 (2002)
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[Publications] T.Kato, H.Baba, D.Nogami: "IR Com : Deeply Eclipsing Dwarf Nova Below the period Gap-A Twin of HT Cas?"Publ.Astron.Soc.Japan. 54. 79-85 (2002)
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[Publications] T.Kato, H.Yamaoka, W.Liller: "IM Normae"IAU Circular. 7791. 1-1 (2002)