2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640244
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
岡崎 敦男 北海学園大学, 工学部, 助教授 (00185414)
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Keywords | Be星 / Be / X線連星 / 中性子星 / ガス円盤 / 共鳴相互作用 / 潮汐相互作用 / X線トランジエント / 質量降着 |
Research Abstract |
Be/X線連星系中のBe星ガス円盤と中性子星の相互作用について、昨年度に引き続き、数値シミュレーションにより研究した。数値シミュレーションはSPH法を用いて、様々な軌道要素(周期、離心率、傾斜角)と粘性の大きさに対して行った。簡単化のために、Be星ガス円盤は等温であると仮定した。この研究から以下のことがらが見いだされた。 1.タイプI・アウトバースト(周期的なX線増光現象)は中性子星への質量降着率が閾値を超えるときに起こる現象であると考えられている。離心率をさまざまに変えて行った数値シミュレーションの結果から、Be星ガス円盤の静穏期では、このような状況は軌道離心率の大きい系でのみ成り立つことがわかった。この結果は、規則的にタイプI・アウトバーストを起こす系が離心率の大きな系に偏っているという観測的特徴をよく説明する。 2.1例おこなった高精度のシミュレーションでは、eccentricになったBe星ガス円盤が円盤の回転方向にゆっくりと歳差運動を始めるという現象が見られた。歳差運動の角速度は、一定ではなく、連星軌道の位相に依存して加速・減速した。中性子星への質量降着率は歳差運動の位相に応じて変化した。このことは、離心率の大きくない系でも、Be星ガス円盤の歳差運動によって、一時的にタイプI・アウトバーストが起こり得ることを示唆している。 3.軌道傾斜角がゼロでない系では、傾斜角がゼロの系に比べて、periastronでの中性子星とBe星ガス円盤外縁の距離が大きくなり、中性子星への質量降着率が小さくなる。このことから、軌道傾斜角がゼロでない系ではタイプI・アウトバーストが起こりにくくなるであろうことが予想される。
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Research Products
(1 results)