2002 Fiscal Year Annual Research Report
金属欠乏星の分光観測による銀河系の形成と化学進化の研究
Project/Area Number |
13640246
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
比田井 昌英 東海大学, 総合教育センター, 教授 (90173179)
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Keywords | 金属欠乏星 / 元素組成 / 分光学 / 恒星大気 / 銀河系進化 / 化学進化 |
Research Abstract |
(1)金属欠乏星の硫黄組成の振る舞いを、2000年以前に岡山天体観測所とケック天文台10mケック望遠鏡HIRESにより観測された62星について調べた結果を、Astrophysical Journal,573,614(2002)に発表した。このような大規模な標本における金属度-2dex以下の硫黄組成の振る舞いは世界で初めて調べられた。 (2)金属欠乏星のカリウム組成の振る舞いを北京天文台で観測された21星のデータを基に解析した。金属度の現象とともにカリウムが増加する傾向が確認された。この結果は、日中共同研究(学術振興会)の一環として行われ、Publication of Astronomincal Society of Japan(PASJ),54,275(2002)に発表された。 (3)炭素過剰な金属欠乏星LP625-44における軽元素とs過程元素について、すばるHDSデータにより解析した。特に鉛元素の組成を確証した。 (4)Post-AGB星HR4049のHDSデータを元に、亜鉛の元素を検出しその組成を調べた。 (5)超新星2002apをすばるHDSで観測し、母銀河の星間ナトリウム線を検出した。母銀河の星間ナトリウム組成と超新星の距離の下限を求めることができた。 (6)すばるHDSの機器に関する論文をまとめて発表した。 (7)2001-2002年度に岡山天体物理観測所において観測した金属欠乏星標本について、硫黄組成の解析を開始した。現在も継続中である。予備的結果は、2003年3月の日本天文学会で発表した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Y.Takeda: "On the Abundance of Potassium in Metal-Poor Stars"Pub. Astron. Soc. Japan. 54. 275-284 (2002)
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[Publications] M.Takada-Hidai: "Behavior of Sulfur Abundances in Metal-Poor Giants and Dwarfs"Astrophys. J.. 573. 614-630 (2002)
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[Publications] W.Aoki: "Chemical Composition of Carbon-Rich, Very Metal-Poor Subgiant LP 625-44 Observed with the Subaru/HDS"Pub. Astron. Soc. Japan. 54. 427-449 (2002)
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[Publications] Y.Takeda: "Detection of Zinc in the Very Metal-Poor Post-AGB Star HR 4049"Pub. Astron. Soc. Japan. 54. 765-773 (2002)
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[Publications] K.Noguchi: "High Dispersion Spectrograph (HDS) for the Subaru Telescope"Pub. Astron. Soc. Japan. 54. 855-864 (2002)
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[Publications] M.Takada-Hidai: "Na I D Lines in the SN2002ap Spectrum"Pub. Astron. Soc. Japan. 54. 899-903 (2002)
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[Publications] P.A.Mazzali: "The Type Ic Hypernova SN 2OO2ap"Astrophys. J.. 572. L61-L65 (2002)