2001 Fiscal Year Annual Research Report
数十〜百MeVに於ける(p,n)反応による原子核のスピン・アイソスピン励起の研究
Project/Area Number |
13640257
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
織原 彦之丞 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (00004432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐川 弘幸 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (50178589)
大沼 甫 千葉工業大学, 工学部, 教授 (00011544)
寺川 貴樹 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 助手 (10250854)
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Keywords | (p,n)反応 / 飛行時間分析法(TOF) / 6^Li(p,n)^6Be反応 / ガモフ・テラー遷移 / フェルミ遷移 / 核子間有効相互作用 / ^<42>Ca(p,n)^<42>Sc反応 / V_τ / V_<στ>比 |
Research Abstract |
東北大学サイクロトロン、ラジオアイソトープセンターのK=110MeVのサイクロトロンが順調に稼動し、本報告書に係る平成13年度計画の研究は所期の目的を大略達成することができた。 1、標的を装着し入射陽子ビームによって(P,n)反応を生起する汎用の散乱槽は早期に完成し、既設のビームスウインガーと組み合わせて-3度から110度まで、切れ目なく反応生成中性子を44メートルの飛行距離を取って飛行時間分析法(TOF)によるエネルギー分析が可能となった。 2、陽子エネルギーE_p=50.70,80,90MeVにおいて、^6Li(P,n)^6Be反応の実験を行い、システムの検証並びに、このエネルギー領域の中性子に対する液体シンチレーターの応答関数の測定を行って検出効率のエネルギー依存性と絶対値の導出を行うことができた。特に、^6Li(p,n)^6Be反応で起こる原子核における最も単純なガモフ、テラー型の1^+→0^+遷移(GT-遷移)で生成される中性子の角度分布を上記陽子エネルギーで測定し、核子核子(空孔)有効相互作用について重要な情報を得た。 3、もう一つの目的である^<42>Ca(p,n)^<42>Sc反応の研究に関し、陽子エネルギーE_p=50,70,80,90MeVにおいて実験を行うことができた。GT-遷移と、Fermi-型の1^+→0^+遷移を分離観測することに成功し、F-型遷移の相互作用の強さを代表する有効相互作用強度V_τとGT-型遷移の相互作用の強さを代表するV_<στ>との比V_τ/V_<στ>の入射陽子エネルギー依存性を実験的に明らかにした。
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