2002 Fiscal Year Annual Research Report
不安定核ビーム破砕反応法による中性子過剰核のγ線核分光
Project/Area Number |
13640268
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
櫻井 博儀 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70251395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青井 考 理化学研究所, 中央研究所, 研究員 (00311647)
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Keywords | 不安定核ビーム / 破砕反応 / 中性子過剰核 / γ線核分光 |
Research Abstract |
今年度の主な成果は以下の2点にまとめられる。 1.不安定核ビーム開発と新同位元素の発見 本課題では、中性子数(N)28を持った中性子過剰核の核構造研究を推進することが目的であるが、このためには、まずN=28の中性子過剰核を効率よく生成できる一次ビーム^<48>Caの大強度化を図り、不安定核ビーム強度を増強する必要がある。この観点から我々は、平成13年度末に大強度^<48>Caビームを用いた不安定核ビーム開発を行った。この際、加速方法が大きく変わったため、実験手法の一部変更を余儀なくされ、特に加速器のRF信号を用いた粒子の飛行時間測定が困難となった。そこで我々は、加速器のRFとは独立に飛行時間測定を行う方法を確立した。本年度初頭でのデータ解析の結果新しい中性子過剰な同位元素として^<34>Ne、^<37>Na、^<43>Siを発見し、同時に^<33>Ne、^<36>Na、^<39>Mgは非束縛核で原子核として安定に存在しない原子核であることが判った。また、^<43>Siの粒子束縛性からZ=14のシリコン同位体でのN=28の「魔法数の破れ」を示した。今年度は、この結果を学術雑誌に発表し、同時に記者発表も行った。この成果は、日本経済新聞等の新聞記事として取り上げられている。 2.ドップラー・シフト・アッテネーション法の確立 平成14年度は、不安定核破砕反応法をさらに強化する意味で、ドップラー・シフト・アッテネーション法(DSAM)の開発を行った。この方法を用いることにより原子核の励起状態の寿命を直接測定することが可能で、核の集団性に関する知見を一挙に広げることができる。開発に適した軽核^<12>Be、^<16>Cについて実験を行い、第一励起準位の寿命を得た。^<16>Cの寿命は異常に長く、平成14年度末の学会で発表し、大きな賞賛を浴びた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Sakurai: "Nuclear Spectroscopy on Unstable Nuclei at RIKEN"Nuclear Physics A. 704. 27c-36c (2002)
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[Publications] H.Sakurai: "Nuclear spectroscopy on very neutron-rich nuclei at RIKEN"Indian Journal of Physics. 76S. 61-67 (2002)
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[Publications] M.Notani: "New neutron-rich isotopes, ^<34>Ne, ^<37>Na and ^<43>Si, produced by fragmentation of a 64A MeV ^<48>Ca beam"Physics Letters B. 542. 49-54 (2002)
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[Publications] N.Aoi: "Anomaly of N=8 Shell Closure in Neutron-rich Be and B Isotopes Studied via Delayed Neutron Emitting ^<14>Be beta decay"Physical Review C. 66. 014301 (2002)
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[Publications] K.Yoneda: "beta-decay half-lives and beta-delayed neutron multiplicities of the neutron drip-line nuclei ^<19>B, ^<22>C, and ^<23>N"Physical Review C. 67. 014316 (2002)
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[Publications] K.Yoneda: "Gamma-ray Spectroscopy of ^<34>Mg via RI beam fragmentation"Nuclear Physics A. 701. 437c-440c (2002)