2001 Fiscal Year Annual Research Report
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13640280
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀内 昶 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60027349)
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Keywords | 中性子過剰核 / クラスター構造 / 魔法数 / AMD / 負パリティ状態 / ドリップ線 / 破砕反応 / 入射エネルギー依存症 |
Research Abstract |
本研究計画は中性子過剰核においてクラスター構造が存在し、その構造が安定核とは異る新しいタイプのクラスター構造であることが次第に明らかになって来た今日の時点で新しいタイプのクラスター構造の研究の本格的推進を目指すものである。本年度は初年度であるが以下に列挙した成果を得た。 (1)中性子過剰核での魔法数N=20の破れの研究。 変形したガウス波束を核子の波束として採用する改良版のAMD(反対称化分子動力学)理論は変形平均場構造の優れた記述を可能とした。この改良版AMD理論を用いて「island of inversion」と称される核種領域での魔法数N=20の破れを調べた。^<32>Mg核では基底状態を含む正パリティ準位のエネルギーやE2遷移の実験値を再現し、その構造が中性子の2p-2h構造であることを確めた。またクラスター構造の成分が構造に混入し得ることを指摘した。^<30>Ne核も^<32>Mgに類似の構造を有するがクラスター構造が50%近く混入する可能性を指摘した。両方の核について負パリティ状態を調べ非常に低い励起エネルギーを有することを予言した。 (2)ドリップ線近くのB同位体の中間エネルギー破砕反応により「Li+Hc」的なクラスター構造を調べる反応について、特に入射エネルギー依存性を調べた。 (3)^<11>Bc、^<12>Bcについて「Hc+Hc」的クラスター構造が実験を良く説明することを示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Takemoto: "Incident-Energy Dependence of the Fragmentation Mechanism Reflecting the Cluster-Structure of the ^<19>B Nucleus"Physical Review C. 63. 034615 1-034615 11 (2001)
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[Publications] Y.kanada-En'yo: "Structure of Light Unstable Nuclei Studied with Antisymmetrized Molecular Dynamics"Progress of Theoretical Physics, Supplement. 142. 205-263 (2001)
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[Publications] A.Tohsaki: "Alpha Cluster Condensation in ^<12>C and ^<16>O"Physical Review Letters. 87,19. 192501-192504 (2001)
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[Publications] Y.Sugawa: "Study of Even-Z Nuclei Up to Mg with the Gogny Force Using AMD"Progress of Theoretical Physics. 106,6. 1129-1152 (2001)
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[Publications] M.Kimura: "Deformation and Clustering in Even-Z Nuclei up to Mg Studied Using AMD with the Gogny Force"Progress of Theoretical Physics. 106,6. 1153-1177 (2001)
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[Publications] M.Kimura: "Breaking of the Magic Number N=20 in ^<32>Mg and ^<30>Ne and Its Possible Relation with the Cluster Structure"Progress of Theoretical Physics. 107,1. 33-42 (2002)