2002 Fiscal Year Annual Research Report
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13640283
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東島 清 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10092313)
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Keywords | 超対称非線形シグマ模型 / 超対称性 / 非線形シグマ模型 / くりこみ群 / Ricci Flat manifold / ケーラー多様体 |
Research Abstract |
非線形シグマ模型は、場が曲がった空間上に値をとる場の理論であり、N次元球面S^N〜SO(N)/SO(N-1)上の非線形シグマ模型などがよく知られている。このような理論はそれ自身で場の量子論の研究対象として興味深いものであるが、超対称性を持つ超弦理論との関連において、とりわけ重要なのは2次元上の場の理論としてみたときに、2種類の超対称性を持つN=2超対称非線形シグマ模型である。この研究は、次のような点を明らかにする事を目的としている。 (A)非線形シグマ模型の拘束条件付きの場の量子論としての定式化 (B)上の方法を用いたN=2超対称非線形シグマ模型の非摂動的な解析 (C)くり込み群の手法を用いた超共形不変性の追求 (D)超共形不変性があるような非コンパクトな空間の分類 計画(A)(B)は平成13年度に完成した。計画(C)に関しては異常次元が存在する場合にくりこみ群の基礎方程式を導いた。異常次元がない場合には、くりこみ群の固定点となるための条件は多様体がリッチ平坦となることである。計画(D)に関しては平成13年度に引き続き、リッチ平坦な空間に値を取る超対称非線形シグマ模型の定式化を行った。エルミート対称空間のように対称性が高い場合には、非線形偏微分方程式であるアインシュタイン方程式を常微分方程式に帰着させる事ができた。この方法により、Einstein-Kahler多様体に複素場を付け加えることにより、非コンパクトなリッチ平坦な空間に値を取る非線形シグマ模型を構成することに成功し、計量もあからさまに求める事ができた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kiyoshi Higashijima, Tetsuji Kimura, Muneto Nitta: "Gauge Theoretical Construction of Non-compact Calabi-Yau Manifolds"Annals of Physics. 296巻2号. 347-370 (2002)
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[Publications] Kiyoshi Higashijima, Tetsuji Kimura, Muneto Nitta: "Calabi-Yau Manifolds of Cohomogeneity One as Complex Line Bundles"Nuclear Physics. B645巻3号. 438-456 (2002)
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[Publications] Kiyoshi Higashijima, Etsuko Itou, Muneto Nitta: "Normal Coordinates in Kahler Manifolds and the Background Field Method"Progress of Theoretical Physics. 108巻1号. 185-202 (2002)
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[Publications] Kiyoshi Higashijima, Etsuko Itou: "Wilsonian Renormalization Group Approach to N=2 Supersymmetric Sigma Models"Progress of Theoretical Physics. 108巻4号. 737-753 (2002)