2003 Fiscal Year Annual Research Report
HETE2衛星と連携したフォローアップ観測によるγ線バーストの研究
Project/Area Number |
13640293
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山内 誠 宮崎大学, 工学部, 助教授 (80264365)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松澤 英之 宮崎大学, 工学部, 助手 (30301443)
廿日出 勇 宮崎大学, 工学部, 教授 (30221500)
高岸 邦夫 宮崎大学, 工学部, 教授 (80041060)
|
Keywords | 国際情報交換 / トランジェント天体 / ガンマ線バースト / 観測 / 人工衛星 / 可視光観測 / 分光 / 残光 |
Research Abstract |
HETE2衛星は打ち上げ以来250個以上のガンマ線バーストを観測し、そのうち50個程度のガンマ線バーストについては発生方向を特定した。さらにそのうち20個以上のものについてはX線や可視光、電波の残光が見つかっており、残光を伴うガンマ線バーストの約半数について赤方偏移の大きさを求めることができた。HETE2衛星と、その速報に基づいて行なわれた追観測によるこのような観測結果から、ガンマ線バーストとIc型超新星との関係をより確実なものとし、また、ガンマ線バーストの等価等方エネルギーと光度が赤方偏移の大きさと関係していることも明らかにした。さらに、継続時間の短いガンマ線バーストにおけるX線や可視光の残光に対する強い制限を見いだし、可視光残光を伴わないガンマ線バーストやX線閃光の性質に対する解釈も可能とした。 継続時間が長いガンマ線バーストのうち、特に2003年3月29日に発生したものについては、我々が構築した可視光自動追観測システムによりバースト発生から163分後には可視光残光を観測することに成功し、その等級が時間に対して指数-1.0のべき関数に沿う形で減光していることを確認した。ところが、バースト発生の0.16日後から0.20日後にかけて減光が緩やかになったり、0.58日後付近から減光が急激になったりしており、単純なジェットのモデルでは残光を解釈できない事がわかった。また、減光が緩やかになる現象はRバンド領域の観測では現われていないことから、この現象の解明には残光のスペクトル観測も必要であると考えられる。 我々は残光のスペクトル観測の準備も進めており、昨年度完成させた分光器を今年度はさらに改良し校正データを取得中である.この分光器による観測例はまだないが、2003年3月29日と同規模以上のガンマ線バーストが発生すれば、その残光の即時スペクトル観測は可能であり、常時観測態勢を整える予定である。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Y.Shirasaki: "In-orbit performance of wide-field x-ray monitor on HETE-2"Proceedings of the SPIE Conference. 4851. 1310-1319 (2003)
-
[Publications] N.Kawai: "In-Orbit Performance of WXM(Wide-field X-Ray Monitor)"Proceedings of the AIP Conference. 662. 25-32 (2003)
-
[Publications] Y.Shirasaki: "Design and Performance of the Wide-Field X-Ray Monitor on Board the High-Energy Transient Explorer 2"Publications of the Astronomical Society of Japan. 55・5. 1033-1049 (2003)
-
[Publications] G.Crew: "HETE-2 Localization and Observation of the Bright, X-Ray-rich Gamma-Ray Burst GRB 021211"The Astrophysical Journal. 599・1. 387-393 (2003)