2001 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー・電子逆コンプトン散乱による高エネルギーγ線源と光核反応
Project/Area Number |
13640296
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
細野 和彦 姫路工業大学, 工学部, 教授 (20028236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 修治 姫路工業大学, 高度産業科学技術研究所, 助教授 (90135757)
望月 孝安 姫路工業大学, 高度産業科学技術研究所, 教授 (80101278)
安東 愛之輔 姫路工業大学, 高度産業科学技術研究所, 教授 (80044783)
青木 一彦 姫路工業大学, 工学部, 講師 (60047628)
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Keywords | 逆コンプトン散乱 / 電子 / レーザー / ガンマ線 / 光核反応 |
Research Abstract |
姫路工業大学・高度産業科学技術研究所に設置されている電子蓄積リング「ニュースバル」を利用してレーザー・電子逆コンプトン散乱により、最大エネルギー17.5MeVのγ線を得ることができた。本年度行ったこの発生実験は以下の通りである。 (1)レーザー光軸と電子ビーム軌道の軸調整。リング直線部は14mである。電子とレーザ光との衝突場所では電子ビームサイズが0.5mm以下と小さく、レーザー光をミラー、レンズで衝突点にもていき、集束させ、電子軌道上にレーザー光軸を合わせるため、レーザー源、ミラーを駆動させて、発生γ線数を最大にするように最適条件を見出した。 (2)電子エネルギー1GeV、蓄積電流15mA、レーザー出力0.8W(1.064μm)、鉛コリメータ径10mmにした時の発生するγ線のエネルギースペクトル、そしてそのスペクトルから計算した光子数は4×10^4/secで、ほぼシュミレーション計算値と一致している。電子蓄積電流を15mAにしたのは、0°で発生γ線を測定すため、検出器に入る光子数を抑えるためである。発生光子数は他の施設と比較して、世界レベルにある。 (3)鉛コリメータ径を3種(20mm、10mm、2mm)。にしてそのエネルギー分布を測定し、コリメータ径依存(コリメータ径によるエネルギー幅の違い)をみた。このことから、軸調整がうまくいっていることが判明した。ちなみにコリメータ径2mmのときの発生光子数は。3.2×10^3/secであり、コリメータ径2mmで、電子蓄積電流を100mAにすれば10^4/sec以上を得ることができることが判明した。 (4)直線部を走る電子とレーザー光の衝突場所測定を行った。この測定は電子とレーザー光との散乱で発生するγ線の時間測定から求めた。この方法はRF信号と発生γ線の時間差測定である。この時間を細かく分割し、それをゲート信号にして、エネルギースペクトルを測定した。その結果、衝突直線部が長いため、エネルギースペクトルが散乱場所依存を示している。 今後検出器を整備し、このγ線を用いて(γ、γ)光核反応を行う予定である。
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[Publications] K.Aoki, K.Hosono, K.Tanimoto, S.Miyamoto, A.Ando, T.Mochizuki: "GAMMA-RAYS BY COMPTON BACKSCATTERING IN A STORAGE RING, NewSUBARU"Proc. of the 13^<th> Symposium on Accelerator Science and Technology. 131-133 (2001)