2001 Fiscal Year Annual Research Report
中性子星強磁場中のアクシオン星からのガンマー線バーストと超高エネルギー宇宙線
Project/Area Number |
13640299
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Research Institution | Nishogakusha University |
Principal Investigator |
岩崎 愛一 二松学舎大学, 国際政経, 教授 (90203356)
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Keywords | ガンマー線バースト / 超高エネルギー宇宙線 / 暗黒物質 / アクシオン |
Research Abstract |
暗黒物質と考えられているアクシオンが、自己重力でアクシオン星を作る。この過程の詳細は明らかではないが、ここでは、ほとんどのアクシオンが、宇宙初期の晴れ上がり以降に速やかに星ると仮定する。この仮定に基づき、どれほどのアクシオン星が宇宙にあるかを計算した。また、それらに衝突するであろう中性子星の宇宙に存在する数を、現在のそれが生まれる割合から、推定した。そこで、この両者が衝突する割合を計算する。そのときの衝突が、次のような過程で起こると考えた。まづ、生まれたアクシオン星は、その周りに物質(水素、ヘリウム)を捕まえているはずである。その物質をまわりにトラップしているアクシオン星が、中性子星に近づくと、その潮汐力でまわりの物質はアクシオン星から離れ中性子星に捕まる。それによりアクシオン星が持っていた運動エネルギーは失われアクシオン星も中性子星にトラップされる。その後、中性子星とアクシオン星の衝突が起こると考え、衝突の断面積を求めた。これらのことから、両者の衝突の割合、及び、それに伴うガンマー線バースト(特に、短期型のバースト)と超高エネルギー宇宙線の発生割合を計算した。その結果は、観測されているガンマー線バースト等の発生率より一桁、あるいは2桁小さい。しかし、この計算に伴う不定性は大きく、特に、潮汐力によるアクシオン星の中性子星にトラップされる割合の計算、アクシオン星と中性子星の相対速度等々、未知の部分が多く、一桁、二桁の誤差は仕方ない。今後、これらの計算を更につめていきたい。また、ここで提案しているガンマー線バーストと超高エネルギー宇宙線の起源が同じという点は、それらの実際の発生率が同じ程度という観測を説明しうるので、興味深い。
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Research Products
(1 results)