2003 Fiscal Year Annual Research Report
中性子星強磁場中のアクシオン星からのガンマー線バーストと超高エネルギー宇宙線
Project/Area Number |
13640299
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Research Institution | Nishogakusha University |
Principal Investigator |
岩崎 愛一 二松学舎大学, 国際政治経済学部, 教授 (90203356)
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Keywords | ガンマー線バースト / 超エネルギー宇宙線 / クォーク物質 / カラー強磁性 / 量子ホール効果 / Savvidy Vacuum |
Research Abstract |
ガンマー線バーストを発生させる考えられる中性子星の内部構造を研究した。特に、その中心部に存在すると考えられるクォーク物質の性質を調べた。従来は、ハドロン相が、バリオン密度の増加にともない、クォーク物質に相変化して、カラー超伝導相になると考えられてきた。ところが、当研究により、次のことが明らかになった。まず、バリオン密度の増加で、カラー強磁性相にクォーク物質はなり、さらなる密度の増加により、カラー超伝導相が現れる。その場合、2SCとよばれるuクォークとdクォーク対の凝縮によるカラー超伝導が、カラー強磁性と共存して現れる。さらに密度が増加すると、カラー強磁性は消え、CFLとよばれるsクォークも他のクォークと対になり凝縮するカラー超伝導相になる。 クォーク物質のカラー強磁性相は、つぎの考察から明らかとなる。20年前ほどにグルーオンの真空状態の考察から、Savvidy真空とよばれる状態が指摘された。つまり、カラー磁場が量子効果で自発発生するというのである。ところが、その状態は不安定であることが指摘されたが、その時励起される不安定モードが、いかなる安定状態を作り出すのかの説得力ある解析がなされないでいた。当研究では、その点を新たな観点で解析した。すなわち、不安定モードが最低ランダウレベルにあり、それが作り出す安定状態は量子ホール状態であると明らかにした。量子ホール状態は当時まだ発見されていないため、不安定モードの解析が進まないでいたのだろう。なお、グルーオンの量子ホール状態はカラー電荷の凝縮をともない、それゆえ、それが可能であるためには、そのカラー電荷を供給するクォーク物質が必要である。 結局、当研究により、グルーオンが量子ホール状態を作ることでSavvidy真空が安定化して、クォーク物質にカラー強磁性相が存在することが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 岩崎愛一, 森松治: "Color Ferromagnetism in Quark Matter"Physics Letter B. 571. 61-66 (2003)
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[Publications] 岩崎愛一, 森松治, 西川哲夫, 大谷宗久: "Color Ferromagnetism of Quark matter and Quantum Hall States of Gluons in SU(3) Gauge Theory"Physics Letters. 579. 347-354 (2003)
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[Publications] 岩崎愛一: "Vortex Excitations in Alpha Cluster Condensed Nuclei"AIP Conference Proceeding ; 4th Catania Relativistic Ion Studies : Exotic Clustering (CRIS 2002). 664. 27-30 (2003)