2001 Fiscal Year Annual Research Report
高屈折率シリカエアロジェルを用いた衝突型加速器実験用RICH検出器の開発研究
Project/Area Number |
13640306
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
飯嶋 徹 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (80270396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 一郎 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (00249898)
住吉 孝行 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (30154628)
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Keywords | シリカエアロジエル / RICH検出器 / マルチアノードPMT |
Research Abstract |
本研究では、近年のシリカエアロジェルの光透過性能の向上によって製作が可能となったエアロジェルRICH検出器を衝突型加速器実験で汎用性のあるものとするために、薄い(2cm程度)エアロジェルを輻射体に用いたProximity Focusing型エアロジェルRICH検出器の開発研究を行っている。 平成13年度の研究では、屈折率が1.03と1.05のエアロジェル輻射体と6×6=36本のマルチアノードPMT(4×4チャンネル/本)をチェレンコフ光検出器に用いたテスト検出器を製作し、宇宙線によるテストと粒子ビームを用いたテスト実験を行った。宇宙線によるテスト(H13年6〜10月)では、テスト検出器の読み出しを含めたチェックと光量やチェレンコフ光に対する角度分解能の初歩的な測定を行った。これに引き続き、11月下旬から12月上旬にかけて、高エネルギー加速器研究機構の陽子シンクロトロン、π2ビームラインにおいてテスト実験を行った。その結果、明瞭なチェレンコフ光リングのイメージを得ることに成功し、光速粒子に対するイベント当たりの平均光量は約2.5個、一光子に対する角度分解能は約11mradと求まった。この平均光量に対する結果は、充分な粒子識別を行うには不十分であるが、今後、光検出器の有効領域を改良する(現在は36%、目標値70%)、屈折率1.05のエアロジェルの透過率を改善する(目標値として約2倍)、といった開発研究が重要である。
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