2002 Fiscal Year Annual Research Report
高屈折率シリカエアロジェルを用いた衝突型加速器実験用RICH検出器の開発研究
Project/Area Number |
13640306
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯嶋 徹 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80270396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 晃 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80187674)
足立 一郎 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (00249898)
住吉 孝行 東京都立大学, 理学部, 教授 (30154628)
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Keywords | エアロジェル / マルチアノードPMT / チェレンコフカウンター / RICH |
Research Abstract |
H13年度の研究から、衝突型加速器実験用エアロジェルRICH検出器を実用化するためには、●屈折率が1.05程度のシリカエアロジェルの透過率を約2倍に改善する。 ●大きな有感領域をもつ光検出器を用いる。の二点が重要であることがわかっていた。そこで、H14年度の研究では以下に重点をおいた研究を行い、それぞれ著しい成果が得られた。 1.高屈折シリカエアロジェルの製造方法に関する研究 シリカエアロジェルの原料となるメチルシリケート51と呼ばれる薬品と溶媒液体の種類を替えることで、屈折率1.05程度のエアロジェルの透過率を約2倍にあげることができた。メチルシリケートについては薬品中での分子量の一様性が重要であり、それが製品によってまちまちであることをつきとめた。 2.マルチアノード光電子増倍管を使ったテスト器製作と試験 最近新しく開発された90%以上の有感領域をもつマルチアノード型光電子増倍管(フラットパネルPMT)のシングルフォトン検出能力に関するテストを行い、十分な感度があることを確かめた。またこれと、1で開発した高屈折率エアロジェルと組み合わせて、エアロジェルRICH検出器のテスト器を製作しビームテストによる総合評価を行った。約2cm厚の幅射体を用いて、高速粒子に対して約8個の光量が得られた。また、π/K中間子識別能力についても運動量4GeV/cで約4σという高い値が実測値として得られた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Iijima et al.: "Test of a proximity focusing RICH with aerogel as radiator"Nuclear Instruments and Method A. (発表予定).
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[Publications] T.Iijima: "Particle Identification at the Super-KEKB"KEK Proceedings 2002-17. 17. 11 (2002)
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[Publications] I.Adachi et al.: "Test of a proximity focusing RICH with aerogel as radiator"Proceedings for the IEEE Nuclear Science Symposium. 2. 10 (2002)