2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640309
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
岡田 安弘 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (20212334)
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Keywords | 素粒子 / 超対称性 / B ファクトリー / CP対称性 / フレーバー物理 / バリオン数生成 / 電弱相転移 / ヒッグス粒子 |
Research Abstract |
1.Super B factory計画における超対称模型の探索 KEKでは将来現行のBファクトリーのルミノシティーをさらに一桁以上増強するSuper B factory計画を検討している。その実験の主な目的は標準模型を超える物理をB中間子やタウ粒子の崩壊を通じて探ることである。いままでこの研究では、大統一理論やフレーバー対称性を持った理論など様々な超対称模型を取り上げ、フレーバーチェンジングニュートラルカレント過程やCPの破れを組み合わせることによって、超対称性の破れの決まり方が異なった模型をどのように区別することができるかを研究してきた。本年度の研究では、第一にこれらの成果をまとめてKEKやSLACでのSuper B factoryの物理的意義の検討の資料の一部として発表した。また、荷電ヒッグス粒子の相互作用を探る上で大切なB中間子のタウ粒子セミレプトニック崩壊およびレプトニック崩壊に対する超対称粒子の量子補正を計算した。 2.電磁相転移におけるバリオン数生成とヒッグス粒子の物理 宇宙のバリオン数生成を説明することは素粒子と宇宙物理にまたがる大きな問題である。とくに電弱相転移におけるバリオン数生成のシナリオは標準模型を超えるヒッグスセクターが必要なため、将来のコライダー物理の観点からも興味深い。ここでは超対称模型やヒッグス二重項を二つ含む模型で電弱相転移が十分強い一次相転移になってバリオン数生成が可能になる条件を調べた。そして、そのような場合にはヒッグスの自己相互作用に対する量子補正が大きくなり将来の加速器実験で検証可能なことを示した。
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Research Products
(4 results)