2001 Fiscal Year Annual Research Report
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13640320
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安藤 恒也 東京大学, 物性研究所, 教授 (90011725)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 2次元グラファイト / 量子細線 / 有効質量近似 / Weylの方程式 / ニュートリノ / 強束縛模型 / 有効質量近似 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブは半径ナノメートル程度の2次元グラファイトを丸めて得られる天然の量子細線である.ナノチューブは,(1)通常の量子細線とはトポロジカルに異なること,(2)2次元グラファイト上で電子が自由電子とは非常に異なった運動をすること、のために非常に興味深い性質を示す.実際,有効質量近似では電子の運動はニュートリノに対する2行2列のWeylの方程式で記述される.ただし、円筒を一周したときに波動関数にはナノチューブの螺旋構造により決まる余分の位相がつき,その結果ナノチューブが1次元金属になるか半導体になるのかが決まる.またナノチユープには,炭素の環が通常の6員環からずれた5員環や7員環などのトポロジカルな欠陥も存在する.そのまわりで電子が一周すると,K点とK'点に対応した2種類のニュートリノの波動関数の2成分が互いに入れ替わる.この研究ではナノチューブ系のトポロジーによる興味深い性質を理論的に明らかにする.本年度に行った研究は以下のようにまとめられる. [1]ナノチューブの長波長の格子振動を記述する模型を確立した.通常重要となる変形ポテンシャルが電子の後方散乱に寄与せず,一桁以上弱いボンド長変化によってのみ散乱が生じナノチューブは室温でもほとんど散乱されない. [2]5員環や7員環などのトポロジカルな欠陥により構造の異なるナノチューブを接合し1本のナノチューブにできる.またStone-Wales転位もナノチューブ形成の際に導入される.このトポロジカル欠陥がナノチューブの電子状態や電気伝導に及ぼす効果を強束縛模型と有効質量近似により明らかにした. [3]単層カーボンナノチューブの先端は閉ざされた構造であるキャップを持つ.キャップは6員環で構成されるグラファイトシートに6個の5員環を導入することで作られる.このキャップによる電子の散乱を有効質量近似にょり計算し,トポロジーの重要性を明らかにした.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Igami: "Effective-Mass Theory of Carbon Nanotubes with Vacancy in Magnetic Fields"J. Phys. Soc. Jpn.. 70・2. 481-491 (2001)
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[Publications] T.Yaguchi: "Electronic States of Capped Carbon Nanotubes"J. Phys. Soc. Jpn.. 70・5. 1327-1341 (2001)
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[Publications] T.Nakanishi: "Conductance of Crossed Carbon Nanotubes"J. Phys. Soc. Jpn.. 70・6. 1647-1658 (2001)
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[Publications] H.Matsumura: "Conductance of Crossed Carbon Nanotubes Junctions in Magnetic Fields"J. Phys. Soc. Jpn.. 70・8. 2401-2408 (2001)
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[Publications] H.Matsumura: "Conductance of Carbon Nanotube with Stone-Wales Defect"J. Phys. Soc. Jpn.. 70・9. 2657-2665 (2001)
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[Publications] T.Yaguchi: "Topological Effects in Capped Carbon Nanotubes"J. Phys. Soc. Jpn.. 70・12. 3641-3649 (2001)