2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640327
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山口 豪 静岡大学, 工学部, 教授 (50013537)
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Keywords | 第一原理計算 / フラーレン / ナノチューブ / 電子状態 / 電界放射 / 走査トンネル顕微鏡STM |
Research Abstract |
微視的、非経験的に求めた表面-探針系の電子状態による解析理論と数値シミュレーションを基本として、個々の原子のスケールでのトンネル現象を解明することが、この研究の目的である。 研究項目「フラーレン系の電子状態」:6員環から成る亀甲格子のグラファイトの1、2、3…個が5員環になると凸型の錘状の曲率が次第に小さくなり、6個のときはカーボンナノチューブCNTになる。すなわち、2個のときのHOMO付近の価電子状態は、以前われわれが求めたSi(001)2×1表面上のC_<60>分子に酷似している。3個のときは、同様に、Si(111)7×7表面上のC_<60>分子に酷似している。この結果は、Surf. Sci.誌に発表された。 6個のときについては、現段階ではおうまかな結果を得て、さらに研究続行中である。すなわち、CNTの電子状態についてこれまでなされた内外の研究は、zig-zag型、arm-chair型やカイラリティのある場合など多様であるが、これらは全て両端は「開いて」いる。われわれは、CNTをSTM探針として実用に役立てる立場から、5員環6個によって「閉じた」CNTの尖端近傍の電子状態を求める。zig-zag型の多層CNTで5員環を放射状に配置すると、そのHOMO付近の価電子状態は5員環付近のリング状の領域で電荷密度が高いので、最近、三重大学および早稲田大学で得られた電界放射顕微鏡FEM像を、よく再現する。この結果については、論文として纏める方向で、さらに吟味のための計算を準備中である。 FEM像との比較の必要性が生じてきたので、電界放射の基礎理論について探索している。
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Research Products
(1 results)