2002 Fiscal Year Annual Research Report
高い熱伝導を目指したフォノン間相互作用の第一原理計算
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13640332
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白井 光雲 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (60178647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 博 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (30133929)
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Keywords | 熱伝導度 / フォノン相互作用 / 第一原理計算 |
Research Abstract |
本研究は、高い熱伝導度物質の探索を目指したフォノン間相互作用の第一原理計算を可能とすることを目的としてH13年度より研究計画が進行しているものである。 研究計画の初年度は、まず研究の手始めとして申請者が発展してきている第一原理計算プログラム「OSAKA2000」を摂動計算にまで拡張することであったが、それはすこし遅れH14年度に一応のプロトタイプができた。それで現在Siなどの物質でテストしているところがある。 この「OSAKA2000」は一般に公開されているものであるが、そのためプログラムのメンテナンスにかなりの精力が割かれているのは事実である。しかしその中で、いろいろ制限があるものの、フォノンの計算を摂動理論により計算できるようにし非調和項の計算の基礎を築いた。これができると非調和項の第一原理計算はもう一歩のところとなる。 この応用として、非調和項を介したフォノン間相互作用は、相転移など固体のさまざまな性質に反映するので、BNの高圧下での相転移現象に応用し、その転移機構に迫った。特に、「OSAKA2000」の実行する第一原理分子動力学シミュレーションは、非調和項を含めた高い精度のシミュレーションであるので、従来のモデル計算では取り扱いの困難な、対称性の異なる結晶同士の転移に大いに威力を発揮している。 最終年度は、この第一原理計算によるフォノン間相互作用の計算を完成しなければならない。それには現在達成した摂動計算のプロトタイプを、どの物質でも適応できるように一般化した形でプログラミングし、そして高次の項の計算に適応する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Shirai, H.Fujita, H.Katayama-Yoshida: "Pressure induced phase transitions of BNs"phys. stat. sol b. 235. 526-530 (2003)
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[Publications] A.Masago, K.Shirai, H Katayama-Yoshida: "The electronic structure of b-boron and the pressure dependence"Proc 26^<th> International Conference on Semiconductor Physics. CD. (2002)
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[Publications] Y.Yamazaki, K.Shirai, H.Katayama-Yoshida: "Mechanism of suppression of light-induced degradation in amorphous silicon by CN treatment"Proc 26^<th> International Conference on Semiconductor Physics. CD. (2002)
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[Publications] 白井 光雲: "第一原理分子動力学方(Osaka 2000)の開発と応用"固体物理. 37. 521-525 (2002)
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[Publications] K.Sato, H.Katayama-Yoshida: "Ab intio study on the magnetism in ZnO-, ZnS-, ZnSe-, and ZnTe-based diluted magnetic semiconductors"phys. stat. sol b. 229. 673-680 (2002)
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[Publications] T.Nishimatsu, H.Katayama-Yoshida, N.Orita: "Ab initio study of donor-hydrogen complexes for low resitive n-type diamond semiconductor"Jpn. J. Appl. Phys. 41. 1952-1962 (2002)