2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640341
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北 孝文 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20186224)
|
Keywords | 量子渦 / 超流動^3He / アルカリ原子気体 / ボーズ・アインシュタイン凝縮 / ド・ハース-ファン・アルフェン効果 |
Research Abstract |
1.3成分ボーズ・アインシュタイン凝縮系の量子渦構造の理論的解明 アルカリ原子気体において実現された3成分ボーズ・アインシュタイン凝縮体の量子渦構造を計算した。その結果、マーミン・ホ構造と呼ばれる渦が低回転場で実現されることを理論的に予言した。また、高回転場においては、明白な渦心のない量子渦構造が安定になることも明らかにした。 2.超流動^3Heの渦糸構造の理論的解明 超流動^3Heでは、通常の超伝導体とは全く事なる量子渦構造が可能である。9つの超流動秩序変数を持つこの系のGinzburg-Landau自由エネルギー汎関数を、ランダウ準位展開法を用いて直接最小化し、安定な渦構造を決定した。今年度はより低回転場までの計算を実行し、さらに一つの新たな渦構造を発見した。そして、これまでの研究成果を、一つの長い論文にまとめ上げた。この論文は、今後の超流動^3Heの量子渦研究において、基本的役割を果たすと考えている。 3.超伝導ド・ハース-ファン・アルフェン(dHvA)効果の理論 超伝導dHvA効果についてのこれまでの理論的研究を、一つの長い論文にまとめ上げた。この論文では、(i)振動の減衰が磁気ブリルアンゾーン内での準粒子のエネルギー分散の増大に起因すること、(ii)この減衰因子がゼロ磁場の極値軌道上での平均エネルギーギャップの大きさに比例していること、を明らかにした。また、振動の減衰に対する解析的表式も導出した。この理論式を用いれば、極値軌道上でのエネルギーギャップの大きさが評価できる。この成果は、今後の「dHvA振動による超伝導ギャップ・スペクトロスコピー」に大いに役立つと考えている。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] T.Kita: "On the density matrix of nonequilibrium steady-state statistical matrix"Journal of the Physical Society of Japan. 71. 1795 (2002)
-
[Publications] K.Yasui, T.Kita: "Theory of the de Haas-van Alphen effect in type-II superconductors"Physical Review B. 66. 184516 (2002)
-
[Publications] T.Kita: "Unconventional vortices and phase transitions in rapidly rotating superfluid ^3He"Physical Review B. 66. 224515 (2002)
-
[Publications] T.Mizushima, K.Machida, T.Kita: "Mermin-Ho vortex in ferromagnetic spinor Bose-Einstein condensates"Physical Review Letters. 89. 030401 (2002)
-
[Publications] T.Kita, T.Mizushima, K.Machida: "Spinor Bose-Einstein condensates with many vortices"Physical Review A. 66. 061601 (2002)
-
[Publications] T.Mizushima, K.Machida, T.Kita: "Axisymmetric versus nonaxisymmetric vortices in spinor Bose-Einstein condensates"Physical Review A. 66. 053610 (2002)