2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640350
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
常次 宏一 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (80197748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
求 幸年 筑波大学, 物質工学系, 助手 (40323274)
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Keywords | 磁性体 / フラストレーション / 動的平均場 / 重い電子系 |
Research Abstract |
フラストレートした構造をもつ遍歴電子系においてしばしば実験的に観測される巨大な比熱およびスピン帯磁率を説明するために、動的平均場近似を用いた数値計算を行った。実際には、フラストレートした構造を最も簡単にモデル化するために、3角形のユニットセルをもつベーテ格子を用いてその上の単一バンドハバード模型の、有限温度および絶対零度の熱力学量と電子スペクトル関数を、動的平均場近似によって計算した。動的平均場近似においては、あたえられた動的平均場の下で1電子スペクトル関数を数値的に計算する際には、有限温度においては量子モンテカルロ法、絶対零度においては逐次摂動法を用いた。 このアプローチによって、3原子からなるクラスター内の電子相関は取り入れられる。この取り扱いの定式化に成功し、平均電子密度が1原子当り1個の場合に大規模な数値計算を実行して物理量を計算した。 その結果、幾何学的フラストレーションが存在しないクラスターと比較した結果、あらゆるタイプの自発的対称性の破れが抑制され、量子モンテカルロ法で計算した最低温度までいかなるタイプの電荷密度波や磁気秩序が発現しないことが分かった。 また、電子間相互作用を大きくしていくと、電子スペクトル関数において、スペクトルの重みがフェルミエネルギー近傍から、低エネルギーおよび高エネルギーの両側に移動していくことを発見した。また、金属絶縁体転移の近傍において、電子スペクトル関数の概形が3ピークを示し、フェルミ面近傍に鋭いピークが現れることを見つけたが、これが観測された電子の巨大有効質量増大効果と関係があると期待される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y. Motome, N. Furukawa: "Critical Phenomena of Ferro magnetic Transition in Double-Exchange Systems"Journal of Physical Society of Japan. 70・6. 1487-1490 (2001)
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[Publications] Y. Motome, N. Furukawa: "Critical Temperature of Ferro magnetic Transition in Three-Dimensional Double-Exchange Models"Journal of Physical Society of Japan. 70・10. 3186-3186 (2001)
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[Publications] H. Tsunetsugu: "Spin-singlet order in a pyrochlore antiferrc magnet"Physical Review B. 65・2. 024115-1-024115-11 (2002)
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[Publications] H. Tsunetsugu: "Quantum Fluctuations in Geometrically Frustrated Antiferro magnet"Journal of Physics and Chemistry of Solid. (印刷中). (2002)