2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640393
|
Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
遠藤 裕久 福井工業大学, 工学部, 教授 (40025284)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 健二 新潟大学, 理学部, 助教授 (40240767)
星野 英興 弘前大学, 教育学部, 教授 (30001861)
樋渡 保秋 金沢大学, 理学部, 教授 (20019491)
木村 初男 福井工業大学, 工学部, 教授 (60023032)
井川 淳志 京都大学, 理学部, 助教授 (80243004)
|
Keywords | 液体-液体構造相転移 / 液体カルコゲン / 配向相関 / 半導体-金属転移 |
Research Abstract |
本研究では液体カルコゲン系で観測される構造相転移のミクロな機構を探ることを目指した。 特に、液体カルコゲン系の相転移には短・中距離配向相関と電子状態が密接に関係することに注目して検討を行った。以下に平成13年度の研究成果を述べる。 1.遠藤、星野、丸山ら実験グループは種々の組成の液体As-Teカルコゲン混合系に関する液体-液体相転移現象を取り上げた。EXAFS,中性子散乱による構造解析及び磁気抵抗測定から電子状態の変化を検討した。その結果この混合系が高温で体積収縮を伴って半導体から金属へ転移すること、この転移領域で鎖間を架橋するAsの結合が切断され、3配位のネットワーク構造から2配位鎖構造へとトポロジーが変化することを見出した。また、金属伝導は隣接するTe鎖間を荷電が頻繁に移動することに起因することが明らかになった。この成果は、第11回「液体及びアモルファス金属国際会議」及びドイツで開催された「液体物理の最近の発展」と題する国際会議で報告され、高い評価を得た。 2.次いで、星野、遠藤らは加圧による鎖間相互作用の変化がこの相転移にどのように反映されるかを調べるために、構造測定用内熱型圧力容器を設計製作した。次年度はこの装置により圧力下の液体カルコゲンの構造相転移の測定を開始する予定である。 3.樋渡は小田らとともに共有結合で結ばれたセレン結晶の種々の高圧相(特に単斜晶及び斜方晶相)の構造と電子状態の詳細を密度汎関数理論に基づく第一原理分子シミュレーションにより検討した。結晶の構造安定性を検討し、空間群を同定するとともに電子の空間分布を決定した。 4.木村はスメクチック液晶相での配向相転移を理解するために、メゾスコピックなモデルを提案し、多種類の分子に関する大量の実験データを系統的に整理した。棒状分子と円板状分子からなる混合系における相転移についても議論を行った。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] K.Maruyama: "Neutron Diffraction of Liquid Arsenic-Tellurium Mixtures near Semiconductor-Metal Transition"J. Non-Cryst. Solids. (in press). (2002)
-
[Publications] A.Chiba: "Neutron Scattering Studies of Liquid Tellurium-Selenium"J. Non-Cryst. Solids. (in press). (2002)
-
[Publications] Y.Kawakita: "Structural and Dynamical Properties of Liquid In-Te Mixtures"J. Non-Cryst. Solids. (in press). (2002)
-
[Publications] M.Geshi: "Electronic Structure and Structural Stability of the High-Pressure Orthorhombic Phase of Selenium"J. Phys. : Condensed Matter. 13. 9401-9410 (2001)
-
[Publications] A.Baumketner: "Finite-Size Dependence of the Bridge-Function Extracted from Molecular Dynamics Simulations"Phys. Rev.. E63. 61201-61204 (2001)
-
[Publications] K.Toriyama: "Mechanical String Model for Liquid Crystal Ensemble : A Comprehensive Model for Polymorphism"Jpn. J. Appl. Phys.. 40. 5000-5007 (2001)