2002 Fiscal Year Annual Research Report
2次元空間の非線形波動における局在解およびホモクリニック解とその応用
Project/Area Number |
13640395
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
矢嶋 徹 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (40230198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇治野 秀晃 群馬工業高等専門学校, 助教授 (00321399)
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Keywords | デービー=スチュアートソン方程式 / ダルブー変換 / ホモクリニック解 / 非線形方程式の平面波解 / 平面波解の攪乱の時間成長 |
Research Abstract |
本研究課題では,主としてデービー=スチュアートソン(DS)方程式を考察対象として,ホモクリニック解に相当する解を導出し,その応用の可能性を探ることを目的としている.そのような解を求めるためには,DS方程式の既知の解を出発点とした解の変換公式を導出しなければならない.本年度の研究では,まず昨年度の研究結果に引き続き,ダルブー変換および類似した変換を用いてどのような解の導出が可能か類型的に調べた.その結果,DS方程式に付随した固有値問題の解(ヨスト関数)がある特定の空間依存性を持つ場合に対してダルブー変換的な変換を導入することができ,その場合の解の変換公式を,ヨスト関数を用いた形で導いた。 また,このような変換に適用してホモクリニック解を導出する種となるべきものとして平面波解を求め,その安定性について考察を行った.その結果,解に平面波型の攪乱を生じた場合,その時間発展の方程式には系の境界条件が含まれるものの,非常に限定された状況を除いては十分時間が経過した後はその寄与は無視できることが確かめられた.また一般に,系に生じた攪乱の成長率はその波数と平面波のパラメーターを用いて表すことができることがわかった. さらに,平面波解をもとにして新たな解を作るために,ヨスト関数を具体的に求め,解の空間構造のパラメーターに含む関数の重ね合わせて表現した.特に,非線形飽和と釣り合うような特定の時間成長率をもつ場合,重ね合わせの結果として双曲線関数だけが残り,これをダルブー変換から導いた解の公式に代入することにより,空間的には一方向に指数関数で減衰する解を作り出すことに成功した.このような解の他に類似の解がないかどうかの検証や,このような手続きをもとにした安定性の解析は,検討すべき課題として残されている.
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