2001 Fiscal Year Annual Research Report
円偏光軟X線を使った光二重電離過程における電子相関の研究
Project/Area Number |
13640399
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
副島 浩一 新潟大学, 理学部, 助教授 (50283007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳下 明 物質構造科学研究所, 放射光施設, 教授 (80157966)
壇上 篤徳 新潟大学, 理学部, 教授 (40018669)
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Keywords | 円二色性 / 電子相関 / 角度分解同時計測 |
Research Abstract |
今年度は角度分解電子・電子同時計測装置の設計製作およびその性能評価をおこなう予定であった。設計に関しては完了し,製作に関しては現段階では完全に完了していない。装置設計の概要とこれからの予定を以下に報告する。 静電エネルギー分析器の設計に関しては特に次の二点の工夫をおこなった。すなわち,1.電子が分析器外球にあたって生じる二次電子が信号雑音の主な原因であると考え,二次電子放出の少ないモリブデンで分析器を製作した。2.広い角度領域で測定ができるように,分析器の両端を大幅に切除し,スリムな形状にした。分析器の本体と同様に重要な部分である,レンズ部はイオン軌道分析ソフトであるSIMIONをもちい慎重に設計をおこなった。軌道解析の結果5要素のレンズ系とし,角度分析をおこなう必要のない極方向では多くの電子を捕集するための工夫を施した。 本装置の大きな特徴である2軸回転機構は,VG社のRotatingPlatform(RP)を2枚組み合わせることでおこなうことにした。既製品を流用することで安価な2軸回転機構を作成することが可能となった。2枚のRPのうち一枚はステッピングモータ駆動のため精密な回転が可能となっている。実験装置の設計を慎重におこなったため,製作が遅れた。そのため当初計画していた装置の性能評価が今年度はおこなえなかった。当初予定していた高エネルギー加速器研究機構・放射光施設での試験実験は,マシンタイム等の制約があり,装置の性能評価のような試験実験には向かないと判断した。そのため,新たに新潟大学で試験実験をできるように設備を整えることにした。つまり,大学の実験室でもあつかえる簡単な光源としてHeランプの製作をおこなうことにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Soejima: "Chiral electron pairs in photodouble ionization of helium"Correrations, polarizations, and ionizaion in atomic systems, edited by M. Schulz. 174-179 (2001)
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[Publications] S.Motoki et al.: "Direct Probe of the Shape Resonance Mechanism in 2δ_g-Shell Photoionjzajon of the N_2 Molecule"Physical Review Letters. 88. 1-4 (2002)
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[Publications] S.A.Collins et al.: "Double photoionization of helium at an excess energy of 60 eV using left and right elliptically polarized light"Physical Review A. (印刷中). (2002)