2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640402
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野崎 一洋 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00115619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 哲郎 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30211238)
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Keywords | Lie symmetry / 非線形偏微分方程式 / 不変解 / シンプレクティク写像 / ポアンカレーバーコフ分岐 |
Research Abstract |
今年度は、本研究の最終年度であるので、いままでの成果を総括するとともに、新しい芽を育てる研究を行い、次の二つの成果を挙げた。 1、くり込み群と密接な関係にある、Lie群を用いた非線形偏微分方程式の解法の拡張を行い、物理系の厳密解の構成に成功した。Lie symmetryに基づく、微分方程式の解法は、(1)系を不変にする点変換群(Lie symmetry)をLie群の手法を用いて求める、(2)その変換群に不変な解を構成する、という2段階の過程を経る。この両方の過程で、以下に述べる研究成果を得た。(1)物理的に興味ある条件を補助方程式として加え、求める解に制限を与えることにより、従来より広いクラスのLie symmetryを構成する手法を開発した。この手法を、自己重力下の球状ポリトロピックガスの流体方程式と、球対称断熱ガスのオイラー方程式に適用し、広いクラスのLie symmetryを構成し、その不変解として、球状ガスの膨張・収縮の時間発展を記述する新たな解を見出した。(2)Lie symmetry不変な解の条件の内、いくつかの条件を縮退させることにより、解に含まれる任意性を広げ、ある種の初期値・境界条件を満足する解をLie symmetry不変な解として構成する方法を開発した。この方法を2次元軸対称の浅水波方程式と3次元軸対称断熱ガスのオイラー方程式に適用して、任意関数を含む新たな解を構成した。 2、非可積分2次元シンプレクティック離散写像に於けるポアンカレーバーコフ分岐の解析表現を与えることに成功し、得られたポアンカレーバーコフ分岐の非存在の条件が、可積分写像の必要条件となっていることや、ポアンカレーバーコフ分岐より、激しい位相構造の変化をもたらす、新たな分岐を、新たに見出した。
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